戦争中
しばらくレポートの作成に集中する為に、更新を延期します。
後、今後のストーリー展開についても熟考します。
「アハハハ! アハハハ! 全てを、毒の香りで満たしますぅぅぅぅぅぅぅ♥ とっっっっっっても、良い気分なのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♥」
そう言って戦車と一体化したメグリ・バタフライは、両腕に付いた砲身から弾を発射しつつ、恍惚の笑みを浮かべていた。そして砲身から発射された弾は空中に発射されて、空中にて破裂して紫色の煙が現れる。
「……どうしてこんな戦車と一体化しているんだ?」
前に会った時は、香水を着けて悶えているだけの普通の人間の女性……だったはず。変態ではあったけれども、まだかろうじて人間の姿は保っていたはずなのに……。
「……はぁ。やっぱりこうなるのか」
と、戦車となってしまっているメグリの後ろから、トト・フロッグが出て来る。こっちはいつもと変わらない。
「やっぱりこうなるかと言っていましたが……まさか、この戦車のような女性はあなたの仕業ですか?」
「……どう見ても、人間業では無いですね」
紅葉とユリ―が警戒するように、それぞれの武器を構える。
「私の部下はどこですか? もしかして彼女を……」
と、ナギサ・クジョウの姿が見えない事に気付いたリリーベルさんがそう言う。それに対してトトは、
「あんたの部下は知らないよ。今頃、【勇者軍】の本拠地の中に居るんじゃないか? 【魔王】さんよ」
と答えつつ、ひょいとメグリの頭の上に乗る。
「あぁ……ん♥ トトぉぉぉぉぉ♥ ちゃんと戻してよねぇぇぇぇぇ♥ これじゃあ、新しい香水も作れないぃぃぃぃぃぃ♥」
「分かってるよ、努力はしよう。元々、こんなのが目的じゃないしね。
さて、【魔王軍】の諸君――――――――君達は是非【勇者軍】の中にでも入りたまえ」
と、トトがそう言って「どうぞ、どうぞ」と言う。
あれ……? てっきり止めて来ると思ったのだが……。
「どうしてそんなにあっさりと……」
僕がそう聞くと、
「私達が倒したいのはぁぁぁぁぁぁ、【教会軍】なのよぉぉぉぉぉぉ♥ あいつらはねぇぇぇぇ♥ 私の香水を、麻薬だなんて言ったのよぉぉぉぉぉぉ♥ はぁはぁはぁはぁ♥」
いや、十分に麻薬めいてると思うけれども……。
「……私とメグリの2人は元々、教会の人間であり、教会から邪教だと言われた人間なのだよ。
私の技はね、【テセウスの船】と言う魔法でね。似ている物があれば、その物を代わりとして代替活用出来る。分かりやすく言えば、欠損した部位と同じ形の物があれば、その物として再構築して、合体できる魔法なのだよ。固有魔法と言うか、私にしか使えないが」
「それを使って怪我人を治していたら、反逆者扱いさ」とトトは笑っていた。
「私達は【教会軍】さえ倒せればいいんだよ。そのために【教会軍】の基地にいくつかの爆弾を仕込んでおいた。ほら、今、爆発するよ」
「えっ……?」
月裏さんが【教会軍】の方を見ると、【教会軍】の基地から爆発が起きる。爆発は1個だけでは無いようで、小さな爆発音が数個、そしてその後から煙が出て来る。
「……私たちはぁぁぁぁ♥ 別にあなた達を止める気はないのぉぉぉぉぉ♥ 【教会軍】、いえ教会さえ潰せばこっちの物ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♥」
「そう言う事だね。まぁ、一応争った体を装っておくよ」
と、トトが言うと、後ろから多くのセグウェイ達が現れる。トトによって復活させたセグウェイ達か……!
「セグウェイの死体は人体じゃなくて銃だったから、簡単だったよ。欠損部位の補てんは少なくて済んだ。じゃあ、後は任せるよ、セグウェイ達」
「じゃあねぇぇぇぇぇぇ♥ あっ、豆羽ユウトにお気を付けてぇぇぇぇぇ♥」
そう言って、トトとメグリは帰って行き、僕達の周りをセグウェイ達がぐるりと囲む。戦う意思はないと言っても、これは酷いだろう。
【トト・フロッグ】
元教会関係者。教会を壊すために、【勇者軍】に参加していた。
固有魔法【テセウスの船】を持つ。この魔法は、欠損部位と形が似ている物を代替使用する魔法。欠損部位の補てんをする際、元の物と同じ色や形を取る。なお、欠損前に使われた物の性質は失われておらず、爆弾を使った場合、身体中に爆弾の性質が行き渡ると言う事になっている。
どんな人間でも治療可能の魔法を見つける際にこの魔法を見つけて使用していたが、10回死ぬまで使用出来ると言う危険性に教会が気付き、排除された。
【メグリ・バタフライ】
元教会関係者。【教会軍】を倒すために、【勇者軍】に居た。
香水を作っている際、誤って毒の香水を作ってしまい、それを教会に咎められてしまい、恨みを持った。
今は壊れた戦車の一部分として、トトに補てんの物質として再利用されている。