変態2人
紅葉によって永遠の炎によって燃えている【勇者軍】の基地。その炎は水魔法によって消す事は出来なかったので、土魔法で埋める事によって何とかなったらしい。
そしてそんな基地のとある部屋。
「あぁ~……。良いわぁ~……けれども前よりも感じられないし、最悪だわぁ……。やっぱりぃ、あの能力はぁ、最悪ねぇ……」
と、自身で作った猛毒香水を身に着けていたメグリ・バタフライは、嘆息しつつ、新たな猛毒の開発に取り掛かる。
「金属を溶かす2番の香水と、内臓組織を溶かす5番香水。これぉ、合わせる事によってぇ、とってぇぇぇぇぇも強力なぁぁ香水の完成よぉぉぉぉぉ! ウフフフフゥゥゥゥゥゥ、アハハハハハァァァァァァァ!」
そうして作りつつ、猛毒香水を着けて、悶えているメグリ・バタフライ。
「……相変わらずだねぇ、メグリ・バタフライ。そんな事をしているから、【勇者軍】の中でも浮いてしまって、【悶え死に蝶】などと言う変な名前で呼ばれてしまっているんですよ」
はぁ……と溜め息を吐き、私、トト・フロッグはそう言いつつ、メグリの手から猛毒香水を取る。そしてそれを見て、メグリはムゥーっと、私の顔を睨み付ける。
「トトぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「……私の名前、2文字なはずなのに、どうしてそんなに長すぎるの? こんな時まで悶えないでよ。
そう言えば、先の戦いで1回死んだでしょ? 私が遠隔操作にて出来るのは、1日に付き最高でも10回である事は説明したはずですよ?」
「知ってるよぉぉぉ……。でもぉ、ほぼ不死だと言う事を強調したらぁ、引き下がったからぁ、大丈夫ぅぅぅぅぅぅ!」
「はぁ……」
そう言いつつ、やれやれだと言うような顔で
「……それで引き下がらなかったら、どうする気だったの? まぁ、良いけれども。てか、何で落ち込んでるの?」
「……いやーね。トトの能力によって、香水が効かなくなってしまってぇぇぇぇ。ちょっとぉ、不満なのよぉぉぉ」
そうなんだとトトはそう言いつつ、「……落ち込んでるならば、何かやらないとね」とトトは考え込む。
「……ねぇ、メグリ? どんな爆弾で慰めて欲しい? C3? もしくはC4のどっちが良い? 他にも小型爆弾の各種を取り揃えましょうか?」
「私が、爆弾で、喜ぶとでも? ……いや、私が喜ぶとしても、香水が良いんだけれどもぉぉぉぉぉぉ?」
「……香水型爆弾とかあったかなぁ?」
そんなの、作った覚えも、あると言う事も知らないんだけれども……。
「そう言えばぁ、トトは何しに来たの? 私の顔をぉ、見に来ただけとかぁ、無いでしょぉぉ?」
「……そうだったね。悪い。実はさ……メグリって神経毒の香水を持っているだろ? それを貸してくれない?」
「良いけどぉ、何に使うのぉ?」
と、聞くメグリに対して、私はこう答えた。
「いや、ちょっと―――――――――【反逆勇者】である豆羽ユウト。あいつの両腕と両足、斬るのに必要なんだ」