オボロとトト
物が神になるのに最も大切な事とは、崇められる事。誰でも良いし、どんな方でも良いんですけれども、誰かに盲目的に崇められる事によって、人は人と言う存在を捨てて、新しく神と言う存在へと変わるのです。誰かに崇められる事によって例え石であったとしても神となるこの世界に置いて、人だって崇められれば神へと変わるのである。
人が神様になると言うのは、簡単で難しい事であり、簡易な事であり難解な事であり、そして誰にでも出来る事であり、誰にでも出来ない事である。例えるとするならば、煙草を吸う事が悪いと言う事を知っているけれども一向に煙草を吸う人が居なくならないように、世界平和が良い事だと言う事は誰もが知っているのに武器の製造や戦争が一向に減らないように。
例えどんな人だろうとも、誰しも褒められる部分を1つは持っているけれども、その人の事を盲目的に信じられると言う事では無い。
例えるとしたら、メグリ・バタフライ。
私、トト・フロッグは、メグリ・バタフライの毒に対する異常なまでの執着心につきましては、私はメグリ・バタフライを尊敬して、崇める事も出来ます。けれども、私はメグリ・バタフライを盲目的に信じ続ける事は出来ません。だって、メグリ・バタフライは神として崇める事が出来るほど、凄まじい人物では無いですし、凄すぎる人物ではありません。だからメグリ・バタフライを神とする事は私には出来ない。
これはメグリ・バタフライだけでは無く、どんな人間だろうともそう簡単には神にはなれない。神になる人間と言う者はほんの一部でしかない。そう、ほんの僅かの限られた人間でしかない。
人間が神になると言う事は、本当に難しい事である。
「―――――――――そう。と言う訳で、そんなに難しい人間の豆羽ユウトを神として作成していただけませんか?」
と、ライバルの神様である月裏オボロは、私がこんなにも懇切丁寧に人間が神様になる事の難しさと言う物を伝えたのにも関わらず、まだ人間の豆羽ユウトを神様とする事をして欲しいと頼み続けるのでした。
そもそも、私の能力と言うのは、人間を化け物にする事は出来るとしますが、人間を神様にする事は出来ません。何せ、そのために必要な材料が無いのですから。
「……神様にするために、何を補填すれば良いか。私には分かりません。
そもそも私の能力は本来はそう言う物では無いですし、私は人を神様にする事なんかよりも爆弾を爆発させる事の方が楽しいですから、ですから豆羽ユウトの神様化を手伝う事は出来ません」
「じゃあ、2つ質問をしてあげましょう。
1つは君の能力のさらなる可能性を教えて欲しい? そしてもう1つは世界の爆発のさせ方を教えて欲しいか? さて、どちらの話を聞きたいですか?」
「なんでそんな話になるんですか……」
まぁ、それでも敢えて聞きたいとするならば、世界の爆発のさせ方ですかね。
「世界の爆発のさせ方を教えてくれますか?」
「本当に爆弾の事が【寿司】なんですねー、トト・フロッグ。
じゃあ、教えてあげましょう。世界を爆発させる爆弾――――――――――それは神様となった豆羽ユウトを作成しないといけませんね」
「……それに集約するんですか」
「はぁ……」と私はそう言いつつ、とりあえず豆羽ユウトを神様にする方法を仕方なく、月裏オボロさんに聞くのでした。
べ、別に世界を爆発させたい訳じゃないんだからね!
……自分で言ってて、虚しくなります。
【トト・フロッグ】
人を神様にするのは無理だと思っている。それよりかは世界を爆発させたい爆発好き。
【月裏オボロ】
トト・フロッグに世界を破滅させるために、豆羽ユウトの神様化を依頼する。