爆弾蛙(2)
彼、トト・フロッグの背後に居るのは話に聞いていたセグウェイと言う奴らのようだ。セグウェイは神が【反逆勇者】の豆羽ユウトに渡したモンスターであり、複数の種類の銃が複数集まって出来上がったのがこのセグウェイと言うモンスターであるらしい。その能力の1つとして、自分の身体である銃を使って他人の身体を操る能力を持っているらしい。それ故にあいつらはセグウェイであるとみなして良いだろう。
しかし、セグウェイはナギサ・クジョウによって倒されたらしいんだが、どうして今、生きているんだろうか?
「復活させておいたのは、正解でしたね。……セグウェイ、倒しておいて」
トト・フロッグがそう言うと共に、彼の周囲に立っていた銃を、砲台を構えた男女が一斉に銃口を構える。そしてそこから銃弾を、砲弾を放つ。
「地面よ、盛り上がれ!」
僕はそう言って大きな地面の壁を作り出して、銃弾と砲弾を防いでいた。
「炎の回転する龍の札!」
姫はそう言って、龍の形状をした炎を回転させつつ放つ。そして放たれたその炎を見て、トト・フロッグは冷静に1人の男性の頭を掴む。
「……セグウェイ、1人を犠牲にしよう」
そう言って、トト・フロッグは炎に向けてその男性を放り投げた。放り投げられた男性は炎の中に飛び込んで行き、男性は炎にぶち込まれてそのまま爆発していた。それを見て、トト・フロッグはニヤリと笑っていた。
……異常だ。セグウェイを普通に炎の壁にぶち込んで炎を防ぐなんて。どんなやり方なんだよ。非常な人間だ。
「……人を犠牲にして生き残る。そんなの、間違っています」
と、そうユリーは言って、両手に長刀を握りしめて、そのままトト・フロッグに怒りを露わにする。
「どう使おうが、私の勝手だよ。それに私は爆弾兵では無く、衛生兵だからね。治すのが……いや、直すのが仕事だよ」
そう言うと共に、トト・フロッグは腰からダイナマイトを取り出す。またしても爆発? いや、衛生兵である事を強調していたから、今から直すのだろう。なのに、何でダイナマイトを取り出すんだ?
そう思っていると、トト・フロッグは爆発によって傷ついたセグウェイに近付く。その傷ついた身体は、右半身が既に爆発によって欠損していた。さらに持っている拳銃も、銃身がひしゃげており、既に銃では無くてただの金属であった。
「あぁ。こりゃあ、直すのが難しそうだね。けれども、出来る事はしないと」
そう言って、トト・フロッグはセグウェイの欠損した右半身の身体があった部分に、ダイナマイトを置いた。そして拳銃だと思われる金属の上に、小型爆弾を置く。
「な、何をしているんだ?」
「治療現場を見せる訳にはいけないな。セグウェイ、あいつらの相手をしておけ」
そう言って、別のセグウェイ達が自身の持つ武器を構え、発射する。銃弾や砲弾が数多の数、発射されて、僕達を狙っていた。僕は聖剣で斬り、姫は火炎の札にて大きな火炎の壁を作り上げ、そしてユリーは2本の長刀で斬り、それぞれ銃弾に対処していた。それを対処しつつ、僕はセグウェイを治療しているトト・フロッグの姿を見ていた。
「な、なんだ……あれ……」
僕はトト・フロッグの治療現場を見て、驚いた。セグウェイの欠損した右半身の身体があった部分に置いてあった、ダイナマイトが形を変えて右半身となって、セグウェイの身体に合体した。さらにひしゃげた銃の近くに置かれていた小型爆弾も形を変えて合体して、元の銃の形になっていた。
「なんだ、あれは……」
あれがトト・フロッグの治療? 何だよ?
あいつの能力は、爆弾を別の物に変えて、治す能力なのか?
【トト・フロッグ】
爆弾は自費で用意してます。
【セグウェイ】
トト・フロッグによって直されており、トト・フロッグの指示に従っています。