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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
最近、教会軍のようすがちょっとおかしいんだが。
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不本意戦闘(3)

『少し距離を取らせて貰う』



 そう言う口癖の物を1人、私は知っている。



 【教会軍】の暗殺担当であると同時に、私の親友であるナナミ・クジョウの頭を撃ち抜いて殺した者、セグウェイ(・・・・・)

 幾つもの銃が集合して産まれたとされるこの魔物は、私の親友の命を奪って、私が殺しておいたはずである。



「……気付かれたね。やはり……少し距離を取らせて貰おう」



 しかし、あの言葉を放つスナイパーと言えば、やっぱりセグウェイしか考えられません。



(セグウェイ……!)



 今はヒカロウとアリスの勝負なんですけれども、それよりも私としてはセグウェイの方が気がかりである。

 ヒカロウとアリスなんて私にはどうでも良い。彼らが一方的に戦闘を申し込んでいるだけであり、言うなればこれは惰性のような物である。本当に不本意の戦闘である。それに対してセグウェイの場合は、友人の敵討ちと言う形なので、私的にはそっちの方がよっぽど気になる。重点を置きたい所である。



「……ならば、私は(セグウェイを)倒すために気合を入れよう」



 「よしっ!」っと私は気合を入れて、セグウェイを睨み付ける。



「おっ、我を倒すためにやる気になったか」



「やるのでーすか? 早くやるのでーす!」



 と、ヒカロウとアリスが自分に向けられた言葉として勝手に気合を入れてしまった。



 拙いな……。勝手に誤解されてしまった。あの2人……特にアリスは水による防御が面倒臭いですし、勝手に誤解されても困るだけである。



「……私は(セグウェイを)倒したいだけなんですが」



 こうなったら……強硬策に出るしかないですね。私はそう思いつつ、その辺に転がっていた石を手に取る。まぁ、けん制にはなるでしょう。



「……ただの石だとしても、それなりの強さにはなると思うので、気を付けてくださいね」



 とそう前置きをしておいて、私は石を投げつける。投げつける時に何かある風を言っておいたので、ヒカロウとアリスは警戒しつつ、防ぐために攻撃する。



「液体による水バリアーなのでーす!」



「代替戦法術、防の型!」



 ヒカロウとアリスは私が投げた、ただの石を防ぐためだけに防御に集中していた。それを私は確認しつつ、時間停止を使う。



(……限界ギリギリ、8秒。時間停止)



 私はそう言って、8秒間時間停止する。またしても色が消え、全ては静止する。ヒカロウとアリスも――――――――――私を狙っているセグウェイも。



「……今のうちに倒しておきましょう」



 私はそう言って、腰から刀を取り出す。私は元々、鎧の魔物ですし、刀も元々持っているのです。まぁ、最も今回は斬るために用意した訳では無いんですけれども。



「……投げる!」



 私はそう思いつつ、全力投球にて刀を投げる。投げられた刀は、セグウェイにぶち刺さっていた。



(……よし! 後は逃げておきましょう)



 私はそう言いつつ、ナナミ・クジョウの身体能力を効率良く使いつつ、時速10km以上の速さ以上を出しつつ、ヒカロウとアリスから離れて行った。そして逃げ出してしばらくした後、時間停止は終わり、セグウェイが居たと思われる場所から大きな爆発音が鳴っていた。

 後ろからヒカロウとアリスの悔しがる声が聞こえるけれども、どうでも良い。



 しかし……。



(セグウェイの本体は倒したはずだったんですが……。まだ残っているのは多いようですね)



 こう言うのは普通、本体を倒したら終わると思っていた私でしたが、他にもセグウェイが居るんじゃないかと考えるのでした。

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