ナギサとヒカロウと、アリスと
朝比奈揺が目標地点とされている犯罪都市ローグレに向かっていたその頃。私、ナギサ・クジョウは一足先に目標とされている目標地点に辿り着いていた。そして拠点作成のために、木を切り倒して近くに置いていた。
「ふぅ……。体力があるとは言いますが、この余りある体力は彼女、ナナミ・クジョウの死体の持ち物なんですけれども」
だから、出来る限り無駄に体力を浪費するような行動は避けたかった。けれども、木を運び込むのは仕事の一つだと考えたので、仕方なく木材を拠点作成の目的地に運び込んでいた。
「……ふぅ。まぁ、これくらいで大丈夫そうですね」
と、私はそう言いつつ、切り倒していた大量の木材を近くに会った植物の蔓でくくりあげて、よいしょっと持ち上げて運び込もうとするが、
「見つけたぞ! ナギサ・カワサキ!」
「ここであったが、百年目か二百年目か、とにかく沢山なのでーす」
と、私の目の前に現れたのは、【戦術賢者】のヒカロウと見覚えのない少女の姿だった。
「【万能戦士】、ヒカロウ。……そして確か【二つの国】、アリス。
珍しい組み合わせですね」
私がそう言うと、ヒカロウとアリスの2人はそれぞれにこう答える。
「ふっ、お前を倒すために協同を組んだ。我の代替戦法術、そしてアリスの完全防御が合わされば、どんな相手だろうと勝てて当然!」
「そうでーす! 最強の矛であるヒカロウと、変幻自在の盾である私、アリス。その2人が共闘すれば勝てて当然なのでーす!」
「ちょっ……! そっちは変幻自在の盾と謙虚に出ているのに、こっちは最強の矛ってどう言う事!? 難易度、凄い上がっているんだけれども!」
何なんだろう、この2人……。
あんまり関わり合いになりたくない2人です。戦闘的に相性が悪いヒカロウも去る事ながら、
「でーす! ですでーす! です、でーす!」
あの、アリスがうざくて精神的に相性が悪いんですけれども。
「ですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですですです……」
う、うざい。とことんなまでに、うざい……。相性以前に、関わり合いになりたくないレベルでうざい。
「……ヒカロウさんはまだしも、アリスさんとは個人的にもこれから的にも関わり合いにはなりたくないんですが」
「それについては、我も同意の意を表しておこう」
まぁ、そこは了承してくれると嬉しい限りです。
「それはともかく! 我はお前を倒しに来た! 勝負せよ、ナギサ・カワサキ!」
「……その前に、この木材を運び終えたらですけど」
と、私は積んである木材を指差す。
「おぉ、そうか。ならば、早く戦闘が始まるためにも、手伝ってやろう」
えっ?
「でーす。手伝うのでーす」
ちょっと……。
「……何ですか、この状況?」
私は自分との戦闘を望む2人と共に、木材を持って拠点設営場所へと向かうのでした。
【アリス】
でーす! です、でーす! ですでーす!
ですばかり、うるさいのDe○th!