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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
いきなり、こんこん、姫いろは
233/266

拠点設営

 無傷で、しかも自身の口からほぼ不死と言っているメグリ・バタフライと、少年兵士達についてどう対処した物かと悩んでいる僕達の耳に、大きな音が聞こえて来た。



 ブォォォォォォォォン!

 ブォォォォォォォォン!



 ほら貝のような、特徴的な耳に残る音である。その音を聞いたメグリはあからさまに残念そうな顔をして、僕を見て、



「あら、残念♥ 勝負がこれからって言う時に無粋よね♥ うぅぅぅぅ♥ まだ弾けきれてないのにぃぃぃぃぃ♥

 まぁ、仕方ないわ♥ あなた達に構いすぎても、こっちには得が無いしね♥ じゃあ、またどこかで♥」



 そう言って、メグリは少年兵士達に向かって



「撤退ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♥」



 と言うおよそこれまで聞いた『撤退』の中でも、かなり変な掛け声と共に少年兵士達を呼び寄せて、そのまま帰って行った。



「あの音……合図か、何かだろうか?」



「多分、経過報告のような一旦帰還しろと言う命令なのでは?」



 と、僕の疑問に紅葉が返答する。まぁ、彼らがどこに行こうが、僕達の危機は去った。



「さぁ、先へ進もう」



 そう言うと、皆が頷く。そして皆が馬車に乗り、ユリーが馬に指示を出す。そして僕達は馬車によって、目的地へと辿り着いた。

 目的地に着いたが、まだ拠点は完成していなかった。どうやら急遽設営する、簡易式な拠点のため、土の魔法で一気に仕上げようと思ったが、土の魔法を使う者が足りないとの事。



「じゃあ、僕が――――――」



 そう言って、僕、それに紅葉も加えて全員で巨大な壁を作った。拠点とまではいかないが、これの裏にでも簡易式な物を作れば良いだろう。相手側からはいきなり出来たこの巨大な土の壁に対して、何らかのアクションがあると思いきやそんな事はなく、拠点設営は順調に進んだのであった。



 その頃、犯罪都市ローグレの【勇者軍】と【魔王軍】の共同拠点に帰って来たメグリ・バタフライはと言うと、少年兵士達と一緒になって、面倒臭い拠点設営をしていた。



「なんで私がぁ♥ こんな事をしないと♥ いけないのぉ♥ トト・フロッグ?」



 と、メグリは近くに居て作業している少年に声をかける。



「仕方ないよ。私達の本来の所属部隊名は秘密工作部隊。こう言った、裏作業は秘密工作部隊の担当なんですよ」



 その少年は左目が白、右目が黒のオッドアイとでも呼ぶべき少年だった。彼の着ている服は、向かって左側が長袖、向かって右側が短袖と言う特殊的な冬服を纏っており、その首に長いマフラーを巻きつけた少年。そして背中には左側には白い天使の翼、右側には黒い悪魔の翼を生やしている。彼はトト・フロッグ。【爆弾天使蛙】と呼ばれる衛生兵である。

 彼はただ黙々と、煉瓦を積み上げつつ、拠点設営をやっていた。



「そもそもぉ♥ どうして♥ 私達が♥ こんな事を♥ やらないといけないのぉ♥」



「そう言いつつ、香水をつけて変態趣味をやらないでくださいね。

 【魔王軍】が拠点を設営をしているのを見て、【教会軍】が作って欲しいと頼み込んで来たらしいです。相手があるのを見ると、欲しくなると言う事ですかね。

 まぁ、【勇者軍】はどうでも良いと思っているけれども、【教会軍】が作れと言っているから、少なくとも彼らが気になる物を作らないといけないんですよ。とりあえず、彼らが納得する物を作れば、何も言われないんですから、早くやりましょう」



「そう言いつつ♥ 爆弾を♥ 仕掛けるあなたは♥ 流石よぉ♥」



 喘ぎ声をあげる少女、メグリ・バタフライと平静を装いつつ爆弾を仕掛ける少年、トト・フロッグの2人を、【教会軍】は不気味な物を見るかのようにして見ていた。

【トト・フロッグ】

 爆弾好きの変態衛生兵。とりあえず作業が完了すれば、良いと思っている。

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