朝比奈、色々と察す
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みなさん、ありがとうございます。これからも朝比奈たちをどうかよろしくお願いします。
「早速ですが、今すぐ洞窟に行ってもらってもよろしいでしょうか?」
朝。起きるなり、紅葉がそう言って来た。
「どうしたんだ、紅葉? いきなり洞窟に行くだなんて」
「コポン?」
とりあえずレベル差が3あると自分としても情けないのである程度レベル差を失くすか、それか今の【聖剣使い見習い】と言う称号が変わるのを待つかのどちらかにしようと思っていたのだけれども。
「いえ、あの洞窟のクエストをどうやっても受けたいと思っていますので」
「コポン?」
「何も目論見はないので、気にしないで大丈夫ですよ。私はクエストを受けたいだけなので。どうやらそのイスール洞窟のボスキャラが私達に必要な物を持っていると言う事を、月裏さんから聞いたので」
まぁ、僕もそこまで強くレベル上げをしたい訳じゃないし、イスール洞窟へ行きたいのならば早速行く事にするか。月裏さんが持っているイスール洞窟のボスキャラが持つ物と言うのもなんとなく気になるし。
「じゃあ、今の草原ではなくて、そのイスール洞窟でレベル上げしながらボスキャラを倒そう。2人もそれで問題ない?」
「コポ、コポンコポン!」
「私から言い出した事なので何も問題ないですよ?」
と、そう言って僕は2人と共にイスール洞窟へと向かって行った。
イスール洞窟で待ち受けていたのは、草原で戦っていたのとは違うモンスターだった。まぁ、洞窟と草原のモンスターが同じな方が困るのだけど。
「キャハハハ!」
そう言って笑って向かって来るのは、ゴブリン。ゴブリンとは醜い小人のような姿をしたモンスターであり、このモンスターは洞窟でのか細い光でも察する事が出来るようになのか目が異常に大きい。そんなゴブリン達が数体迫って来る様は非常に気持ちが悪い。
こんなモンスターを倒すのは嫌でしかないが、それは少し前に初めてモンスターを倒す時に見切りを付けていた。
僕は聖剣を振るう。聖剣の重さに身を任せ横に振るって、そのまま敵の身体に当たる瞬間インパクトとして聖剣に力を込めてモンスターを斬る。それが僕の剣術。まぁ斬ると言うよりかは、叩き潰す(叩き斬る)と言う表現が正しいかもしれない。
本当はもっと色々と手があるんだろうけれども、剣術を習っていない僕はこれが限界だ。しかも我流だし。
「今だとこれでも良いけど、そのうち斬るのも身に付けないと……」
ちなみに姫は火炎の魔術、紅葉は火、水、雷、土の4つの属性の魔法で無双中。
と、そこでさっきの紅葉の態度に疑問を覚える。
「ボスモンスターが持っている必要な物、か。ともかく月裏さんが教えてくれたと言うのが気になるな。
なにかは分からないが、なにか隠しているのは間違いない。そして隠しておかないといけないと」
ともかく、そのボスモンスターを倒さないといけないらしい。となれば僕がやる事と言ったら、そのボスモンスターを倒すためにそこに行くまでに聖剣を斬る事を覚えよう。
紅葉には聞いても答えてくれそうにないですし。
だったらボスモンスターを倒して、その時に聞けば良い。さっさとやるとしよう。
僕はそう言って聖剣を構えて、次のモンスターとの戦闘に備えた。
【朝比奈揺 Lv.6 種族;人間 職業;聖剣使い見習い HP;250/260 MP;120/120 加護;ルルリエルの加護
姫 Lv.9 種族;獣人(狸族と狐族のハーフ) 職業;なし HP;220/240 MP;385/420
紅葉 Lv.9 種族;リッチ 職業;決意の魔法使い HP;100/100 MP;4400/4600】
姫ちゃん、レベル15まであと6です。