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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
武装少女は傷つかない
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【ナギサ・クジョウ】との対決(2)

「……あんまり時間をかけても、しょうがない。そっちが来ないなら、こっちから」



 と、そう言って彼女は、そのまま僕達の方に自身の腕を出す。そして目を細める。



「……ここ!」



 そう言った時には彼女は一瞬にして、身を屈めて体勢を低くして、地面を蹴って一直線に飛んで来た。僕達の頭上を光速で一直線に、まるでミサイルのように飛んで行ったナギサ・クジョウ。そして僕達の背後で、大きな音が聞こえる。



 振り返ると、そこには白い煙を上げて、ゆっくりと倒れ落ちるスミガタケの木の姿があった。そんな白い煙の中から、ムクリと起き上がるナギサ・クジョウ。



「……外した。やはり、難しい。これはナナミが良く使っていた技、光速ロケット。一瞬で身を屈めて、相手に向かって自身をぶつける技。

 ……とは言っても、ナナミは勘だけでやっていたけれども、私は自身の腕の長さからおよその距離を計算しても上手く出来ない。でも、次は外さない」



 そう言って、ナギサ・クジョウは僕達に手を向けて、その手から薄い灰色の液体を出した。



「あ、あれは……!?」



 それは恐らく、ナギサ・クジョウがナギサ・カワサキとナナミ・クジョウの2人から形成されている事を考えていると、正体は自ずと導き出された。



(あれはセメントだ!)



 そしてナギサ・クジョウはそのセメントを大量に手から出して、僕達の方に投げつける。



「……セメント・ネット」



「拙い! 逃げるぞ、姫!」



「う、うん!」



 僕と姫は慌てて、そのナギサ・クジョウに背を向けて逃げ出した。スミガタケの沢山の木を利用しつつ、その間をジグザグに走り出す。ナギサの姿を確認しつつ、それでも木にぶつからないようにして。

 ナギサはそれを見て、セメントを流すのを止めていた。そのままその高い身体能力で木をぶち破って前に出るかと思いきや、意外にも冷静に彼女は歩いてこちらを追っていた。





(……当てにくい。かと言って、走る事は出来ない。この身体、まだ完全には掌握出来ていない。あまり速すぎても、セメントがこっちに流れるだけ。しかし、走って前に出ようにも、木が邪魔で動けない)



 ナナミ・クジョウの身体は、ナギサ・カワサキのセメントによってある程度は補強されているとは言え、死体。木を走ってぶち破って、相手の前に出ると言う事が出来るのかと言う事をナギサは考えていた。

 結局、ナナミの身体を優先して、歩いて後を追う事にしたのだった。



(……それに、死体に疲れはない。相手に休む暇を与えないくらいの距離で後を追っていけば、確実に捕まえられる。その後、セメントで固めて、負けを認めさせれば良い)



「……第一、この試練。朝比奈さんが勝つか負けるか、それは日向ラファエルさんが見たい所ではないですし」



 日向ラファエルから見極めろと言われているのは、姫の状態(・・・・)。彼女がどう動くか、それがこの試練の一番重要な事なのだから。

【姫】

 どうやらこの試練の目的は、姫に関係している模様。



【朝比奈と姫】

 ただ今、体勢を整えるために逃亡中。



【ナギサ・クジョウ】

 ナナミの身体を気遣いつつ、朝比奈さん達を追いかける。

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