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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
武装少女は傷つかない
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【ナギサ・クジョウ】との対決(1)

「……今からお見せするのは、本物の【ナギサ・クジョウ】ですよ」



 そしてナギサ・カワサキの身体が光り輝いて行く。ナギサの身体が光り輝きつつ、変形していく。

 桃色の腰まで伸びている、長い髪から大きな兎耳を生やしたナイスバディの女性。その頭には赤と黒が混ざり合ったような色合いの兜を被っており、同じ色合いの戦鎧を身に纏っている。そんな彼女は死んだ魚のような瞳をしていた。



「あの姿は……ナナミさん? ですか?」



「……ナギサさんが変化したら、ナナミに?」



 紅葉とユリーの2人がその人物の姿を見て言葉を発すると、その鎧を纏った人物が口を開いた。



「……私はナギサであり、ナナミでもある。敢えて名乗るとすれば―――――――【ナギサ・クジョウ】。

 ナギサ・カワサキとは【死体を操る鎧】のモンスター。死体に纏われる事で、その死体の身体能力と魔法などを使う事が出来る。勿論、自分の身体能力と魔法などもそのまま加えている。私、ナギサ・カワサキはナナミ・クジョウと言う身体に纏われた鎧なのですよ」



 と、鎧を纏ったその女性、ナギサ・クジョウはそう名乗りを上げた。



「……生前の身体能力に関しては、この身体は死体だから無茶は出来そうにない。精々、生前の秒速50kmの5分の1、秒速10kmを出せるのが精いっぱいですね。まぁ、私の身体能力も足しますが、それは些細な物なので」



 秒速10km……恐ろしい女だ。なるほど、多少なりともあの身体能力がチート級の女性の身体を使っているからこそ、ナギサは自らを二人組とした。実際は、1人は死体で、もう1人はその死体に着られた鎧だと言うのに。



「……け、けど、あの眼にもとまらぬ速さは一体……」



「月裏さん。手をばらすのは、勝負の後にしましょう」



 そう言ってまたしても視界が揺らいだかと思うと、ナギサ・クジョウは月裏さんと紅葉の2人の首を持って、吊り上げていた。



「い、いつの間に……!?」



「……いつの間にか、つい数秒前までは普通にやられていたんですが、もう駄目です。2人には彼女の身体能力で何発か蹴りを入れて置きました。彼女の脚力の蹴りは、もはや怪物級。それを数発喰らったんですから、しばらくは動けません」



 そう言って、2人の首から手を離すナギサ・クジョウ。2人の身体は地面へと落ち、そして2人は倒れたまま動くなった。



「……死にはしていませんよ。まぁ、これで2名気絶、と」



「……な、何を!」



 そう言って、ユリーは2本の長刀で斬りかかるが、彼女はそれをなんと両方の腕で掴んでいた。



「……! 真剣白羽取りを、それも2つも!?」



 僕が驚いているように、やられた当人であるユリーもまた驚いていた。そしてそのまま、ナギサ・クジョウは彼女の身体を蹴りで吹き飛ばしていた。物凄い勢いで吹っ飛んで行って、そのまま地面に倒れるユリー。



「月裏! ユリー! 紅葉!」



「……彼女の動体視力と、私の動体視力の2つをかけ合わせれば、大抵の物は避けきれます。姫さん、これで残るはあなたと朝比奈さんの2人だけですね」



 そう。あっという間にナギサ・クジョウによって3人は倒されてしまい、残っているのは僕と姫の2人だけ。



 対峙しているのは、ナナミ・クジョウと言う獣人女性の身体を持っているナギサ・カワサキ――――――いや、ナギサ・クジョウ。



 【戦女神の対決の試練】。

 僕達は圧倒的な危機を迎えていた。

【ナギサ・カワサキ】

 死体を操る鎧のモンスター。その死体に着られる事によって、その死体の身体を操る。死体なので、生前と同じくらいの身体能力は発揮出来ない。また、自身の能力を足しているので、ある意味生前よりも強化されている箇所もある。

 なお、セメントを出す能力と物を《盗む》能力は彼女固有の能力。



【ナギサ・クジョウ】

 鎧のナギサ・カワサキが死体のナナミ・クジョウを操った状態。なお、そのままだと身体組織が崩壊してしまうので、セメントで補強を施しています。

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