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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
武装少女は傷つかない
211/266

試練開始

 その日の午後。

 スミガタケにて僕達は試練のために向かい合っていた。



「……まぁ、試練はそこまで長引かせなくても良い。気楽に、そう気楽にやりましょう」



 ナギサ・カワサキはそう言いつつ、欠伸をしながらこちらを見ている。



「……対決の勝敗は、気絶するか。それか、負けを認めるか。それだけ。【ナギサ・クジョウ】が勝つか、朝比奈さん達が勝つか。それだけで、後はどうなろうとも構わない。それだけですよ」



「……なんともまぁ、アイスバーンさんと違って雑な説明ですね」



「本当にざっくりとした説明だな」



 紅葉と僕は、ナギサの本当にざっくりとした説明を聞きながらそう思っていた。まぁ、アイスバーンさんと同じように長々とした丁寧な説明を貰うと、アイスバーンさんを思い出してしまって嫌になるんだけれども。



「勝てば貰える? 何か、他の物をかけたりとかしない? 試練の追加とか、しない?」



「……神様からやれと言われましたので、私はやってるだけです。それ以上は頼まれていません」



 「だからやらない」と、ナギサはそう言う。



「……まぁ、全精力を傾けるのも馬鹿らしいと言えば、馬鹿らしいですし。2人くらいで様子見とかが無難かと?」



「い、言われなくても!」



「やる!」



 月裏さんが氷の翼を纏って、そして姫が札で作った剣に火炎を纏わせて、ナギサさんに向かって行く。この数日の間に得た技術。姫が得たのは札で形を作ってそれに炎を纏わせる。これによって、近接攻撃も容易となった。そして月裏さんは氷を氷柱のようにして攻撃力を上げて、空気抵抗を下げた。他の3人もだが、僕達は試練を受けると決める前より、確実に成長していた。



「……力量差を見せつけましょう」



 と、そう言って、一瞬視界がぶれる。そして次の瞬間には月裏さんと姫が木にぶつかっていた。



「痛っ~! な、何!?」



「い、いつの間に……」



 全く見えなかった。どこから攻撃したのか分からなくなるくらい、ナギサの行動は見えなかった。



「……早く負けを認めてください。私達も何度も相手には出来ない。そう、ほんの数秒くらいしか相手に出来そうにない」



「じゃあ、とっておきの魔法で!」



 紅葉がそう言って、目の前の空間に呪文の詠唱陣を作り出す。そして、



「――――――――火炎よ、舞え!」



 紅葉がそう言って、作り出した魔法陣。あれはおとりである。いや、別にあれが見かけ倒しと言う事でも無くて、ちゃんと発動はする。けれども本命は木の中に隠しておいた紅葉の魔法陣。設置型の魔法陣、そこから目に見えない速度で魔法を発動させて、ナギサさんを気絶させる。それもまた紅葉の成長によって僕達が考えた作戦の1つである。



 目の前の空間の魔法陣の炎はただ音を大きく出して、相手の注意を引きつける役割も担っていた。そして、ナギサさんは倒れる―――――――――はずだった。しかし、ナギサさんは一瞬また視界が揺らいだかと思うと、無傷の状態で立っていた。



「魔法は発動したはず……」



「……えぇ。かなり危なかった。先程の2人の倍の秒数を使わなければなりませんでした。でもまぁ、もう少し使える」



 そして、今度は僕が聖剣を持って、ナギサに向かう。そして振るう。それをナギサが《盗む》ために、集中している時に大剣に持ち替えて、そのまま斬りかかる。集中している時は流石に無理だろう。そして後ろからユリーが斬りかかっているし、今度こそ!



 しかし、またしても僕達はいつの間にか地面に叩き落とされていた。



朝比奈揺あさひなゆらぎ Lv.32 種族;人間 職業;神殺しの二剣流 HP;760/790 MP;630/630 加護;ルルリエルの加護

 ひめ Lv.30 種族;獣人(狸族と狐族のハーフ) 職業;禁呪術師 HP;540/590 MP;800/880

 △【札形成術】を手に入れました。

 紅葉もみじ Lv.30 種族;リッチ 職業;希望の魔法使い HP;110/145 MP;8600/8700

 △【設置魔術】を手に入れました。

 ユリエル・アトラシ Lv.30 種族;人間 職業;二刀流 HP;540/590 MP;340/340

 月裏つきうら Lv.26 種族;変化の不死鳥(フェニックス) 職業;拳士 Hp;310/340 MP;780/810】



 ステータス的にも僕達は前よりも成長している。けれども、それでも全く叶わないほどに、ナギサは強かった。



「……これこそ、【ナギサ・クジョウ】の真のチームプレイ。

 さて、もっと面白い物をお見せしましょう。私が何のモンスターかと言う事を」

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