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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
勇者になれなかった彼はしぶしぶ世界に反逆する事にしました。
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魔王城でのひと時

 【魔王】リリーベル・フランベルの話によると、ナナミ・クジョウの速さ、身体能力の高さは異常なみたいである。



 足の速さを秒速50kmを出すために、毎日200kmをウォーミングアップとして走り込んで、水面を走って渡りきり、さらには足の速さだけで宙に浮かぶ事にも成功してしまった、あり得ないほどの身体能力の持ち主。だからユウトとワルダックの2人を捕まえるのに、さして時間は要らないらしい。今、そのナナミ・クジョウを迎えにナギサ・カワサキが行っているらしい。だから、僕達は待っているだけで良いらしい。

 また、ユリーはアオモリポルポの猛毒の墨を受けているから、魔王城の衛生面の担当の人が治療しているらしい。姫はその付き添いをしている。



「まぁ、その時間の間に【伝説の魔力球の試練】をやりましょうか」



「そうですね。まだ出来ないし、やっておきましょう」



「私もやらせて貰って構いませんか?」



 と、僕とリリーベルさん、それから紅葉の3人は【伝説の魔力球の試練】を達成する為に、ガラス球にそれぞれ魔力を込め始める。色はそれぞれ皆、1色は出来るのだが、2色以上をやろうとすると途端に色が混ざり合って、混ざり合った色になってしまう。7色やるのは本当に難しい……と言うか、2色でも難しいのに、7色なんて言う物は出来るのだろうか?



「あ、朝比奈さん! それに紅葉さん! ちょっと聞いてください!」



 と、扉を開けて2人の女性が入って来た。1人は月裏さん、どうやらなんだか急いで来たらしく、はぁはぁと息を切らしている。

 もう1人はミコト・デスルードさん。黒髪で軍服を着た、【魔王軍】の四天王の1人である腰に拳銃を付けたクールな美女。前髪が非常に長いためか、右目が覆い隠されていて、しかも左目には眼帯をつけている、本当に前が見えているか分からない彼女は、綺麗な動きでリリーベルの横へと行く。



「【魔王】様。もう少しで【反逆勇者】豆羽ユウトと賢者、ワルダックの2名をこちらに護送出来ると、ナギサ・カワサキから話が通って来ました。既に【魔王城】に到着しているみたいなので、確認を」



「そうですか。この部屋は少し遠いかも知れませんね。よし、迎えに行きましょう、ミコトさん」



「畏まりました。あぁ、恐れ多いので少し(・・)距離を(・・・)取らせて(・・・・)もらいますね(・・・・・・)



 「では、後で」とリリーベル・フランベルさんはミコトさんと一緒に部屋の外へ一緒に出て行った。



「き、聞いてください、2人とも! だ、大事件です!」



 そう言って急かすように月裏さんが言うけれども、何か掴めそうな僕達は少し待ってくれと伝えるために言葉に出す。



「どうしたんですか、月裏さん? 少し落ち着いてください。私達は今、自分達の力でこの試練を攻略している最中ですので、少し待っててくださいね。キリが良い所を探してますので」



「そうだよ、僕達は今、試練を解くために頑張ってる。だから、もう少しで何かを掴めそうだから、ちょっと待ってて。話はその後で」




 と、言葉をかけた時、月裏さんは眼に涙を浮かべて、



「うわーん! 私は悪い子ですー!」



 と言って泣きながら部屋を飛び出してしまった。



「「……?」」



 僕達は訳も分からず、ただ茫然とするだけだった。

【月裏ラキナエル】

 他の人に助けを貰った自分と、自分の力だけで解こうとする2人に申し訳なくなる彼女だった。



【ミコト・デスルード】

 少し(・・)距離を(・・・)取らせて(・・・・)もらいますね(・・・・・・)

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