表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
勇者になれなかった彼はしぶしぶ世界に反逆する事にしました。
195/266

【天見アバユリの個人面談】

【天見アバユリの個人面談。

 【伝説の魔力球の試練】についての個人的相談につきまして。



 やぁ、月裏ラキナエルさんじゃないか。なにか相談事かい?



「え、えっと……【伝説の魔力球の試練】の攻略法を教えて欲しいんです。あれを考えたのは、天見アバユリさんだと聞いたので」



 ……ふむふむ。【伝説の魔力球の試練】か。あれを考えたのは元々私だし、聞くのも可笑しな事では無いと言えばないかな。しかし、それはフェアではないのではないのかな? 試練の神、日向ラファエルが聞いたら何を言うか……。



「うぅ……。そ、それは……その……」



 まぁ、月裏ラキナエルと日向ラファエルのどちらの肩を持つかと言われれば、断然君の肩を持ちたいね。君の方が良い。

 あいつには以前、自身が面白くないからと言ってとある人物のランク上げを頼まれた時がある。その報復と思えば良いだろう。そう言えば、彼は全然ギルドに顔を出さないね。まぁ、それどころではないし、ギルドとは束縛するような場所ではないけれども。



「あ、ありがとうございます……。そして、ごめんなさい……」



 謝らなくても良い。黒塔都市サルファイアに確か魔族がやっている【鋼の城】の支部があったから、くれぐれも出るように言うくらいで構わない。



 【伝説の魔力球の試練】は元々、虹の七色を球に出すと言う類の試練では御座いません。私が最初に提示したのは、魔力を用いて銀色の魔力を注いだ球を作って欲しいと言う内容であった。それが何度か改変されて、虹色の七色の魔力を球に込めて欲しいと言う試練内容に変化したのだろう。



 まぁ、とりあえずこの炎を見てください。



「えっと……青い炎、ですか?」



 次はこの3つの炎を見て貰えますか?



「紫色、緑色、藍色の炎、ですか? ナトリウムか何かの元素を燃やして、色付きの炎を?」



 まぁ、これがあの試練で私が本当に伝えたかった事だよ。魔力は元々色が無い。けれども、それを分かりやすくするために人々は無意識のうちに色をつけている。



「な、なるほど……。つまりは、それを意識的に七色に変えろ、と言う事ですか?」



 その通り。まぁ、原理が分かっても長年抱いていた魔力イメージは変えにくいがね。



「ほ、本当だ! 炎が銀色になった!」



 ……変えにくいはず、なんだがね。



「あぁ!? 魔力が金色に!?」



 ……変えにくい、ですよ?



「す、凄い! これなら、私が聞いてすぐに虹色に魔力を出せるようになったし、紅葉さんならもっと早く出せるかも知れないです! 

 え、えっと、ありがとうございました! アバユリさん!」



 うん。良かったね。あと、愛しの彼によろしく。



「い、愛しのって……//////! そ、そんなのじゃないですよ!」



 そうやって、走り去る彼女を見て、私は一息吐いてこのレポートにこう書き記しておく。



 魔力の色を変えるのって、無意識的にやっていたのを変えるのだから難しい……はずであると】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ