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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
勇者になれなかった彼はしぶしぶ世界に反逆する事にしました。
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森の中の密会劇

 黒塔都市サルファイアに近くにある黒き森林、スミガタケ。

 イカやタコのような墨を吐くモンスターが大勢いるここでは、そのモンスター達によって全ての樹木が真っ黒に塗りたくられていた。そして今日、ここで2人の人間が密会をする。



 【反逆勇者】、ユウト・フランベルこと豆羽ユウト。

 【教会軍】、幹部の賢者のワルダック。



 僕、姫、紅葉、ユリー、月裏さんの4人。【魔王】のリリーベル・フランベル。【光速獣】のナナミ・クジョウ。以上、6名で彼らの活動を墨で真っ黒になった木の後ろにて秘密裏に確認していた。



 ワルダックは何らかのお香をいて、近くにあった木の穴の中にそれを入れる。



「あれは……ナナミ、気分が悪かったりしないですか?」



「うぅ……。多分、魔物を避けるために教会で作られているお香、【退魔香】。私のような獣人が嫌うとなると、それが妥当かと」



 魔物を退けるためのお香、か。それによってこんな森の中でも安全に密会をやろうとしているのだろう。まぁ、ナナミさんも嫌って来るくらいで、別にそこまでモンスターを除外出来る訳ではないみたいである。



「これで、低級や中級のモンスターは入って来ないですし。けれども、上級のモンスター……ここで言うと主くらいのモンスターだと来るかもしれませんよ?」



「良いさ、それでも。無いよりマシ……と言う所だぜ。じゃあ、お互いに密会の相談を始めるとするか」



 豆羽ユウトは顔半分が焼け焦げており、黒い勇者服のような服を着ている。そしてワルダックは嫌そうな笑みを浮かべた藍色のフードを着た40歳くらいの男性。なんでも良いが、どう見ても悪人みたいだよな。一応、片方は元勇者だったのに悪人らしいと言う表現が似合うのはどうかとは思うが。



「【教会軍】の方はどうなってる?」



「ヒメハジメの街のシスターの知り合いに、シーライブと言う種族が知り合いが居ましてね。人権を与えると言えば、魔王を倒すのにえらい積極的になりましたよ。ちなみにシーライブと言うのは、世にも珍しい髪で息をする水面中も地上と同じように生きられる種族です。これによって、かなりこっちが有利になりましたね。邪魔なのを海面に落としさえすれば、後は彼らが好きにやってくれますか。そっちはどうです?」



「強い奴が仲間に入った。どうも神からの贈り物とからしい。名前は適当にセグウェイと呼んでいるが、能力はお墨付きだ。あいつ以上に暗殺にむいているのはないだろうし」



 話をまとめると、【教会軍】の方には海中でも役立つ種族の仲間を陣営に加え、さらに【勇者軍】には神から暗殺向けのモンスターの贈り物。敵はなかなか良い仲間を手に入れてるようだな。あきらかに悪側の陣営なのに。



「……や、ヤバいね。【魔王軍】も流石に朝比奈揺君達だけだとダメらしいね。もっと仲間を手に入れないと……」



 リリーベルはそう言いつつ、「どうしよう……」と悩んでいる。そう言いつつ、僕もどうしようかと悩んでいると「あわわ……」と言っている。



「どうしたの? クジョウさん?」



「そ、そうです。ば、ばれたら大変です」



 姫と月裏さんがそう言って声を出しているクジョウさんに声を出す。



「全く……ちょっとは自重した方が」



 そう言って紅葉がクジョウさんの方に振り返る。そして僕も同じように振り返ると、



 そこに居たのは、



「シャー、シャーシャー!」



 全身緑色の巨大なタコのようなモンスターだった。

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