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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
シルバータイム
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皆のアイドル オペラちゃん 後篇

 黒塔都市(こくとうとし)サルファイア。真ん中に大きな真っ黒な塔を中心として作られているこの都市は現在、【魔王】であるリリーベル・フランベルの陣営が位置取っていると新聞でやっていた。そこで僕達はその黒塔都市のサルファイアへと向かっているのだけれども、その途中で良く分からない人(?)に出会った。



 豪華なステージが作られており、その真ん中に立った1人の美女がマイクを持った状態で立っていた。

 クールな雰囲気を漂わせている、凛とした巨乳美女。金色の髪と同じ色の狐耳を生やしており、姫様が着ているような白いドレスを着込んだ赤い天狗のような仮面を付けている彼女は、僕達の前に立ち塞がっていた。



「聴いてください、【萌えてオペラ】!」



 そう言って彼女は歌い始めた。魅惑の歌声とも呼べるような、そんな歌声で彼女は歌い始めた。



「―――――――――♪ ―――――――――♪ ――――――――――♪」



 とても綺麗な歌声だとは思うんだけれども、それでもなお魅了されるかと言えば微妙なラインである。美しすぎると言う訳でも無いし。



「……何なんだろうね、これ?」



「分からない! けど、まぁ美しいかも?」



「まぁ、それなりのアイドル声ですが、どうしてもあの仮面が邪魔でまともに楽しめませんね」



 姫と紅葉の言う通りそうである。美しいんだけれども、どうしても仮面を付けてしまっているからきちんと美術的な歌声を美しさとして鑑賞出来ないんだけれども……。



「……何でしょう、あの歌声は? 何だか、良い歌声……」



「だ、ダメです! これで魅了されてしまいますと、ダメなんですよ!」



 ユリーが彼女の歌声に傾けようとしたんだけれども、月裏さんが止める。そして歌い終わって誰も無事な様子を見て、



「……キャ、キャルルルーン! だ、誰も魅了されてない!? 神の世界のシェア率70%超の大ヒット作、【萌えてオペラ】が誰一人にも受けないだなんて……。落ち込むわー……」



 はぁー……と心底がっかりした様子で倒れる彼女。



 僕達は何をしているかさっぱりなんだが、月裏さんだけが1人僕達の前に出て説明していく。



「こ、この人は【オペラ】さん。神の世界にて人気ナンバー2を誇るアイドル死神です。能力は萌えた相手の魂を奪い取る能力です! 所謂、【萌え殺し】です」



「「「「【萌え殺し】……?」」」」



 なんだろうか? 【萌え殺し】とは……萌えた相手の魂を奪い取るって、もしかして歌声に気持ちを傾けていたらやばかったりしたんだろうか? でも、萌えたらダメって……。



「なんと微妙な……」



「うっ……」



 僕の声に【オペラ】はと言うと、明らかに動揺した感じで「ギクッ……」と声を出す。そしてうるうるとした様子で、大きな声で反論していた。



「仕方ないんだもん! 【私様様】は【萌え殺し】しか出来ないんだもん! だったら、お前ら何か知らない! 【私様様】は倒せなかったけれども、ナギサ・クジョウの【2人組】に倒されればいいのよ! キャルルルーン!」



 そう言って、彼女は帰って行った。えっと……あれ?



『2人組?』



 名前が違う事や、能力が違う事は予想していたが、まさかにんずうまで違うだなんって……。



 僕達が戦う相手はどうやらナギサ・クジョウとは2人組のようです。

【オペラ】

 【仮面殺しの死神】。萌えた相手を殺すと言う【萌え殺し】を得意とする。神の世界で7割以上を誇るアイドルの死神。

 萌えた相手の魂を奪う【キュンと死してキャルルルーン!】と、顔以外はどんな者にでもなると言う【骨格変装術】を使い、数々の人間の魂を回収してきた。顔は眼を奪われるほどの美形らしいが、証人の全ての魂が奪われているため、確証はない。

 やっぱり男子の方が魂は取りやすいらしい。



【ナギサ・クジョウ】

 魔王城に居るとされており、九字の印の【烈】と【在】の2つを持っているらしい。今回、2人組である事が判明。

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