皆のアイドル、オペラちゃん 前篇
人の殺し方は多種多様様々な殺し方がある。
刺殺、殴殺、毒殺、銃殺、そして爆殺。死神と言うのは色々な殺害方法にて罪人や罪人でない人間などの魂を狩って来た。
そしてそんな中にも、勿論端から見ればくだらないと言えるような殺害方法をする死神も居る。今回、日向ラファエルの仕事の手伝いとして朝比奈揺を殺しにかかっている【仮面殺しの死神】、【オペラ】と言うのはそう言う死神だった。
萌えた相手の魂を回収する、所謂【萌え死】にを担当しているのが【仮面殺しの死神】、【オペラ】である。
「キャルルルーン! 神界内にて不動の人気と美しさを誇るこの【私様様】、【オペラ】の手にかかれば、例え性欲が全然無さそうな朝比奈揺だって、いや他の4人だって【萌え殺し】にして見せる!」
萌えた相手の魂を奪う能力、【キュンと死してキャルルルーン!】。
ふざけた名前の割に、萌えさせた相手ならば例え不老不死だろうが、絶対防御だろうが、次元の壁を作ろうが防ぐ事が出来ないと言う、【オペラ】の特殊能力。
「そして、【キュンと死してキャルルルーン!】に比べたらありきたりな能力だけれども良い、【骨格変装術】!」
顔以外の全てのパーツを自由自在に相手が望むように変える事が出来るとされているこの能力を使えば、【萌え殺し】に出来ない相手など居ない。
顔だけ変えられないから、常に【仮面】を付けている。故に【オペラ】は【仮面殺しの死神】と言われるようになったのである。
「まぁ、問題は朝比奈揺とその他4名の女性に対して効果的な姿をしないと行けないんだけれども……」
この能力の一番厄介な点は、瞬時にやらないといけないと言う事。相手が警戒する前に一瞬にして肩を付けなければならない。
「あのグループの中で、一番の中心的な人物は朝比奈揺。要は、朝比奈揺さえ【萌え殺し】出来れば後はどうとにでもなる」
では、朝比奈揺の周りに居る人物の特徴を借りると言うのはどうだろうか? 流石に周りの連中が好きな容姿でない限り、長い旅路だと飽き飽きしてくるはずだ。
「ならば、あの連中の要素を重ね合わせれば……朝比奈揺を【萌え殺し】に出来ると言う訳ですか!?」
そう思いながら、【オペラ】は考える。
「姫ちゃんはやっぱり獣耳、それも狐耳が気に入っていると推測されますね。紅葉さんはリッチな部分は流石に真似出来ないし、クールな部分? ユリエル姫はやっぱり男だったら姫様? そして月裏さんが好きな部分はあの巨乳だったりするのだろうか?」
【オペラ】は必死になって朝比奈揺が4人のどこが好きになったかを考察して、一番あり得そうな部分を出していく。
「つまり、朝比奈揺は、【狐耳】で、【クール】で、【姫様】な【巨乳】な女性が好みと言う事と推察されました。……よし、後はこの条件を満たすように【骨格変装術】によって体型を変えて、待ち伏せすれば完璧です!」
フフフ……と笑う【オペラ】だったが、彼女は知らない。
既に自分が何か間違った考えをしている事を。