紅葉とアイスバーン
「魔力を帯びた地面よ。我が魔力によって動き出して、敵へとぶつかっていけ!」
と、紅葉が言って浮かんでいた地面をアイスバーンさんめがけて発射した。発射されたその地面は、一直線に向かって行くと思いきや、途中でいくつもの土の塊に分かれ、そして向かって行った。
「――――――どれか当たれば構いませんからね」
アイスバーンさんはそれを見つつ、深く溜め息を吐く。
「こんなに分解されてても、地面であった事は変わらないですからね。当たったら私の負けになってしまいますね」
持っていた銃に黒い弾丸を入れて――――――いや、銃に入れる前に一瞬白い弾丸に変わったような? ―――――――――とにかくその銃の銃口を地面の塊に向ける。
「名付けて、散弾白銃」
銃口から放たれた銃弾は、幾重にも分裂して地面の塊を撃ちぬいていた。そしてそのまま地面の塊は地面へと落ちて行った。
「次は氷、です」
今度は紅葉は浮かばせておいた凍らせた海面を幾つにも、今度は先程の地面の塊以上に念入りに分裂し、そのままそれをアイスバーンさんに向けて発射していた。アイスバーンさんは黒い弾丸を、またしても途中で赤い弾丸へと変化したそれを入れて、アイスバーンさんは銃口を向ける。
「名付けて、炎射網」
アイスバーンさんの持っていた銃口からは、炎が網のような形となって発射されていた。銃で発射された炎の網は氷の塊を溶かしており、アイスバーンさんに向かっていた氷は水となって地面に落ちていた。
「そして、もう1発。名付けて、点火弓」
アイスバーンさんは弓矢を取り出して宙に投げる。そして弓矢は矢尻から火炎が発射されて、そのまま急速に速度を増してそのまま紅葉に向けて発射されていた。そして、銃から先程の散弾式の銃弾を発射する。
「聖水の壁!」
紅葉は慌てて呪文を詠唱して、水の壁を作り出していた。水の壁は散弾銃とロケットの弓矢を防いでいた。
「――――ふぅ。詠唱を短くするスキルがあったから、何とか防げました」
紅葉は一つ溜め息をするが、その様子を見てアイスバーンさんはニヤリとした顔をする。アイスバーンさんは指をパチンと鳴らす。
すると、銃弾がいきなり腐って行く。鉄錆が現れつつ腐敗していって、そのまま水まで色が変色していく。
「拙い! 何故か水の壁が、いきなり汚く……! と言うか、この弾丸、この水の壁に干渉して魔法を壊しています!」
そして、そのまま水の壁は破裂した。そしてそのまま、弓矢は水の壁の邪魔が無くなって、そのまま紅葉へと突っ込んで行った。
「……ッ!」
そして、弓矢は紅葉の近くで爆発し、そのまま紅葉は宙へと放り出される。このまま地面へと叩きつけられると、紅葉の負けである。
「まだまだ……!」
紅葉はそう言いつつ、自分の身体に雷を纏わせる。そうすると、紅葉は雷を纏わせてゆっくりとそのまま地面へと落ちて行った。それをアイスバーンさんは見逃さない。彼女はそのまま、地面を蹴って跳び上がり、そのまま紅葉めがけて跳び膝蹴りをしてくる。
「サンダー・ガード!」
紅葉は雷の守りを強くして、その強くしたその守りでその蹴りを防ごうと、雷の守りを強化する。
「名付けて、腐食一番」
そう言って、紫色のオーラを纏ったその蹴りを放つアイスバーンさん。そして、2人の攻撃はぶつかり合う。
そして、アイスバーンさんの足の紫色のオーラは、紅葉の雷の防御に侵食して行って、紅葉はそのまま地面へと叩きつけられた。
「これで二勝です」
アイスバーンさんはそう、地面に倒れている紅葉を見ながらそう言うのであった。