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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
Super Seisyun Seikatu
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多次元相撲とユリー

「では、開始しましょう。【多次元相撲】、第一試合。ユリエル・アトラシ対アイスバーンの試合を開始しましょう。先手はお譲り致します」



「……では、遠慮なく」



 そう言って、ユリーは長刀・アイスバーグを投げる。投げられた長刀・アイスバーグはアイスバーンさんに向かって行って、アイスバーンさんの『P』と言う文字が書かれた右腕に巻きつく。



「良い発展具合ですね。まぁ、こんなのはすぐに外せるので問題はないんですが」



 そう言いながら、スルリとその紐の巻きつきを右腕から外すアイスバーンさん。



「アイスバーンさんに向けて、アイスバーグか……。洒落(しゃれ)が聞いていると言うべきでしょうかね、ここは? まぁ、関係ないですが」



 そう言って、地面を蹴って跳びあがるアイスバーンさん。そして、上に釣り上げられていた鉄骨を見上げる。



「あれが丁度良い。丁度良い、栄え(・・)具合ですね」



 そう言いつつ、彼女はその鉄骨に触れて、その鉄骨の上に乗る。



腐食(・・)させたくなってきてしまいましたよ」



 そう言うと、その鉄骨を支えていた紐が急に腐って行き、鉄骨の重さを支えられなくなり、鉄骨は地面へと落ちて来た。



「名付けて、鉄骨落とし」



 鉄骨はまっすぐ落ちて来て、その鉄骨を見つめるユリー。



「……二刀流、火炎斬り!」



 ユリーは長刀・ボルケーノに火炎を纏わせてそのまま鉄骨を斬る。アイスバーンさんは斬られる前に鉄骨を蹴って別の鉄骨に移動していた。今度は吊るされているのではなく、鉄骨で出来たまだ建設途中の建物の鉄骨の上だが。



「名付けて、螺子飛ばし」



 彼女は鉄骨を蹴る。蹴るとその鉄骨に刺さっていた螺子が跳び上がり、そんな螺子がユリーへと飛んで行く。



「……二刀流、氷の壁」



 ユリーは長刀・アイスバーグに氷を纏わせて地面にぶつける。ぶつけると、氷の壁が地面から現れてその螺子を防いでいた。そして螺子が全部氷の壁に当たったのを見て、ユリーは氷の壁の上まで跳んでそのまま彼女の居る鉄骨の上へと向かって行く。



「追撃か。良い追撃です。ですが、ここは既に螺子が取れている」



「……二刀流、氷炎斬り!」



 長刀・ボルケーノに炎を、長刀・アイスバーグに氷を纏わせて、その2つの長刀でユリーはアイスバーンさんを振り斬る。



「―――――ですから螺子が取れていますし、すぐに鉄骨は落ちますよ」



 ユリーはその2本の長刀を振り斬る前に、アイスバーンさんの乗っている鉄骨は落ちて行った。落ちて行ってユリーの2本の剣撃ならぬ刀撃を避けていた。



「そして、もう一撃」



 アイスバーンさんはズボンから小型の機械装置を右腕で取り出して、ポイとユリーに投げつけた。



「名付けて、小型重量装置」



 ユリーはその小型の機械装置を投げつけられて、そのまま小型の機械装置を持ったまますぐに地面へと落ちて行った。そして、地面に落ちる。砂煙が上がる。そして、アイスバーンさんはそのまま地面にさっと降り立つ。



「まぁ、これで大丈夫ですかね?」



 アイスバーンさんはそう言って、地面に背中を付けたユリーの上に置いてある小型の機械装置を取上げる。



「……まだ戦えます」



 そう言って、立ち上がろうとするユリー。それを止めるアイスバーンさん。



「確かに体力はほとんど減ってはないでしょうから、別に私と戦う事を止めたりはしません。けれども、【多次元相撲】としてはあなたは負けですから。それでも続けます?」



 地面に背中を打ち付けたユリーは、自身が負けている事を悟った。その言葉にユリーはガクリとした様子でそのまま倒れ伏した。



「では、次は誰がします? それとも、今回はこれで終わります?」



 そうダルそうに尋ねるアイスバーンさんに、僕は今日はここまでと言って倒れているユリーさんを連れて宿へと向かって行った。

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