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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
Super Seisyun Seikatu
159/266

テセウスと試練の魔物

 増設港街テセウス。

 クレーンで鉄骨が操作されながら、古い建物を破壊しながら新しい建物を作りつつある常に新しくなっている街である。そこから沢山の新しい船が出来ていて、僕達が向かおうとしているシチュユリや他の数都市への街行きが船に乗って行ける。そして姫が楽しみにしていたテセウスはそう言った場所である。

 正確に言えば、テセウスが楽しみにしていたのはテセウスでは無く、そこから行けると思っている皆が幸せに暮らせる場所に期待していたのだけれども。とは言っても、それが簡単だとは思わない。



 僕、ユリーは普通に人間だから大丈夫だとは思うけれども、狐と狸のハーフの獣人である姫、リッチである紅葉、そして不死鳥(フェニックス)の月裏ラキナエルさんの3人は人間では無いから、彼女らに対しても偏見や差別がなく過ごせる場所を見つけるのは、多分容易ではない。



 そうやって、テセウスに辿り着いたのだが。



 月裏さんから聞いているのだがここには僕と戦うために、試練の神様である日向ラファエルが出したモンスターが居ると言う事。僕達はそのモンスターを街に着いたら探そうと思っていたのだが、あろう事か敵はあちらさんの方からやって来ていた。

 増設港街テセウスの門から入って来る時、門の前に1人の少女が立って僕達を睨み付けていた。しかもご丁寧に『朝比奈揺御一行様が倒すべき試練のモンスター』と書かれたプラカードを持った状態で。



「まさかと思いますが、モンスターだと言う事で人外のモンスターを想像していましたか? 私が人型で残念でしたか?

 と言う訳で、あなたがたはこの試練を受けて、クリアした場合商品を差し上げますので、受けなければならないらしいです」



 そう言うのは、黒と白の二色の服を着た少女。左腕には『D』と言う文字いが刻まれており、右腕には『P』と言う文字が刻まれている。そして髪まで左側は白髪で右側は黒髪になっている。平均的な体格の、どこか妖艶な人間には無い雰囲気を纏った少女だった。



「私が今回、あなたがたと戦う事を命じられたモンスター、アイスバーンです。あなた達と戦う事を命じられましたが、よろしくお願いします。まぁ、しかし『私を倒す』のがあなたがたの依頼(ミッション)ですが、それは今でもないのですから、今倒さなくてもよろしいですよ?」



 そうやって言う彼女に、僕は何か可笑しさを感じた。このモンスター、アイスバーンには意識があるが、それで僕と普通に会って来たのは良いんだが何か変な奴である。なんなんだ、こいつは……。



「……日向ラファエルから受けた私の依頼内容は、『1対1で私、アイスバーンを倒す』です。それが試練です。ではよろしければ、誰から戦いましょうか? 試練と言うのは出来るならば、早い方が良いと思いますし。勿論、あなたがたは拒否する権限があるので、使っていただいても構いませんが」



 と、アイスバーンは言う。その言葉に一番早く答えを出したのは、



「……私がやらせていただきます!」



 2本の刀を持ったユリーさんだった。



「良いでしょう。私は挑戦を受け入れさせていただきます」



 と、アイスバーンはそう答えていた。その瞬間、僕達全員の脳裏に変な言葉が現れる。



【ユリエル・アトラシが、試練の神日向ラファエルが出した【多次元相撲の試練】を開始します】

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