ポイズンリップとジャックの対談
【死神殺しの死神】であるポイズンリップと【爪研殺しの死神】のジャックは1人と1匹は、【書記の神】、宮本デュークの所から戻っている帰りで【基準殺しの死神】、デスサイズの所に立ち寄るつもりで歩いていた。
【しかし、ポイズンリップ。最近、お前はお兄ちゃんである彼と会っていないようだけれども、大丈夫かのう?】
「私は大丈夫です! なにせ、数十年や数百年ぶりに兄ちゃんと会ったんですよ。ですから、ポイズンリップ的には全く持って大丈夫だったりしますよ!?」
そう言いながら、次に会う機会をメモ帳と相談しながら取ろうとするポイズンリップを見て、相変わらずだなと思うジャック。
「そう言えば、アンジェリーさんはどうだったんですか? あの死神さんは確か死神に対する鎌の重要性を訴えて、高位の死神になろうとしてたんですよね?」
【わしが知る限りはまだ奴は高位の死神になっていないんじゃ】
それを聞いて、ポイズンリップは驚いていた。彼女は死神界の鎌の重要性をさらに高めるために、ジャックと一緒になって【判決殺しの死神】、リーンベルを倒すために行動して、無事にそのリーンベルも倒している。それだと言うのに、アンジェリーが高位の死神になっていない事に驚いているのである。
【どう言う事か……。何故かと言うと、お前がリーンベルを倒した事が問題視されたんじゃな】
「ぎ、ぎくぅ……!」
【リーンベルと互角以上に戦えていた事をわしは訴えていたんじゃが、どうもやっぱり鎌を使っている事が低い扱いを受けた理由の1つだったらしいのじゃよ】
「ほっ……」
【まぁ、止めを刺さなかったのも問題だと思うのじゃが】
「ぎくぅ……! な、なんだか罪悪感が押し寄せて来るんですけれども……」
そう言いながら泣くポイズンリップを、気にしなくて良いんじゃと諭すジャック。ポイズンリップはうんうん、と頷きながら顔を上げる。
「で、でも、ジャックがアンジェリーにあんなに親身になって協力していたのは、てっきりアンジェリーの事が好きで。そのために自分と同じように高位の死神にして欲しいと思ったのかなと……」
【いや、どう考えても猫と人間は恋愛なんか出来んじゃろうが。例え同じ死神だとしても。
わしはただ、鎌がもっと良い扱いを受ければ良いと思って協力したのじゃ】
「そ、そうなんですか? ならば、良いんですかね……?」
【そうじゃよ、お主が気にする事はない】
そう言って、デスサイズの部屋を開けて、中にデスサイズが居ない事をポイズンリップとジャックは確認する。
【居ないのぅ……もう少し探すとするかのぅ】
「そうですね、ちょっと世間話及び恋話をするつもりでしたが、なんだか居ない事が分かると俄然やる気が湧いてきます!」
【お主らの恋話は長いから、その場合は一目散にそこから逃げさせて貰うからのぅ】
「あぁ! 逃げないでくださいよ、ご意見番!」
【誰がご意見番じゃ……】
ポイズンリップとジャックは、デスサイズを見つけるために探索を続けるのであった。