デスサイズによる月裏オボロへの拷問劇
神様同士の喧嘩と言うのは、大抵大きな物になる。何故かと言うと、神様の力は大なり小なりあれども他の種族よりも持つ力が強い。そんな者同士が戦った場合、そこに大きな傷跡を残すのが普通だからである。とは言ったとしても、圧倒的に強大な力を持つ神様が喧嘩を行った場合は、その常には入らない。何故ならその圧倒的に強大な力を持つ神様が他を蹂躙して、その者を倒すからである。それは喧嘩とは呼べない、ただの一方的な暴力に近い。
「えっと……デスサイズ、さん? どうしてわたくしを拘束しているのかなー? そう言うあなたも【寿司】だけれども、ちょっと怖いかな?」
「……殺すよ、死ね。私を怒らせた事を細胞の1つ1つに至るまで、その身に刻み付けて死んでください」
【基準殺しの死神】、デスサイズは自分の武器である鎌を構えながら、地面に押し倒した【ライバルの神】、月裏オボロにとびっきりの憎悪の感情をぶつけていた。本来、デスサイズはそこまで強く負の感情を表現したりはしないのだが、今の彼女はとびっきりの憎悪を出していた。その理由はオボロが原因である。
「……まさか私の大事なあの子に手を出すなんて」
「まだ諦めてなかったんだね、デスサイズさん。いくら【寿司】だとしても君は神様で、彼、ジョン・スミス君をどれだけ【大寿司】で愛しているの?」
「――――――違う。どこのアメリカ版田中太郎ですか。あなたが良くご存じでしょう? あなたが私の彼――――――――大神幸次郎君を誘拐したのは既に知っているのですよ?」
と、彼女はとっても強い負の、憎みの、恨みの感情を向けていた。
「そう? あの彼、大神幸次郎なんて名前なんだ。神様達の間では彼の名前が幾重にもはっきりしない情報が混在しきっていて、名前が分からなかったんだよ。―――――そうか、これからは君が【寿司】なその名前を囁きながら呼ぶ事にしようかな?」
「オボロ!」
そう言いながら、デスサイズは鎌を彼女の首に押し付ける。
「―――――そんなに怒って大丈夫? 君の事に対して今は【寿司】かも知れないけれども、あんまり起こりすぎると【寿司】になってくれないかもしれないよ? コウ君がさ?」
「なんでその愛称を!? 彼との秘密の愛称を!」
「コウ君♡ コウ君♪ コウ君☆」
「――――――止めてください! お願いしますから! 彼との愛称をそんな親しげに言わないでください!」
と、泣きながら懇願する彼女は、いつものような死神界のトップを担う存在には見えなかった。ただの恋する相手を取られて泣く女にしか見えなかった。そうやって泣きながら、鎌を振るってオボロの身体を傷つけているデスサイズ。
「ちょっとバイオレンスなんですけど! わたくしの身体が傷だらけに! まぁ、ちょっとした事をやってくれれば、君の【大寿司】な大神幸次郎君を返してあげたり、君との仲を取り持ったりしてあげるよ? 【ライバルの神】は【恋のライバル】とかも作り出して、仲をさらに進展する事も出来ますよ?」
「ほ、本当に?」
なんだか若干嬉しげな表情をするデスサイズ。そんな彼女にオボロは質問を与える。
「じゃあ、わたくしの言う事を聞いてくれたら、次の3つのどれかを先に叶えてあげますよ。
1つ目は彼を監禁状態から解放する事、そして2つ目は彼との恋仲をさらに進展する為に恋のライバルを作る事。最後に3つ目は彼の隠しておきたい過去について。さて、どれから聞きたい?
あぁ、最初に言っておくけどすぐに答えるとは言ってないよ? そこだけは注意しておいてよね?」