彼女は神様
こうして新生ユウト・フランベル、豆羽ユウトを倒した僕だったが、どうやらユウトを倒した事によって経験値が入って来た。しかし、その経験値と言うのが少し可笑しいのだ。
【朝比奈揺 Lv.27 種族;人間 職業;神殺しの二剣流 HP;380/680 MP;290/520 加護;ルルリエルの加護
姫 Lv.25 種族;獣人(狸族と狐族のハーフ) 職業;禁呪術師 HP;420/480 MP;690/780
紅葉 Lv.25 種族;リッチ 職業;希望の魔法使い HP;99/134 MP;7400/7800
ユリエル・アトラシ Lv.25 種族;人間 職業;二刀流 HP;470/510 MP;260/290
月裏 Lv.21 種族;変化の不死鳥 職業;拳士 Hp;250/250 MP;720/720
△スキル【炎の鳥】を手に入れました。
△スキル【氷の鳥】を手に入れました】
……レベルが2ずつくらい上がっている。他の15人の豆羽ユウトを全員倒したとしても、ユウトは低レベルだからそこまでレベルが上がると思ってはいない。1人くらいはレベルが1上がっても可笑しくはないとは思うんだけれども、全員が2ずつ上がると言うのはちょっと可笑しいと思うんだけれども。
それよりも月裏さんの種族、スキルが可笑しい事に……。
(変化の不死鳥ってどう言う意味だろうか? それに【炎の鳥】と【氷の鳥】も分からないな……)
ちょっと内容を確認してみようか。僕はそう思いつつ、内容を確認してみる。
【種族【変化の不死鳥】……不死鳥の中でも2種類以上の性質を持つ不死鳥の事。
スキル【炎の鳥】……炎を纏った不死鳥の身体を得る。自分の意思で身体の性質を変える事が出来ます。
スキル【氷の鳥】……氷を纏った不死鳥の身体を得る。自分の意思で身体の性質を変える事が出来ます】
つまり今の彼女は、炎の身体と氷の身体のどちらも彼女の自由意思で使いこなす事が出来ると言う事か。不死鳥だから死なないから、今の彼女は炎だけでなく氷の力も得た存在になったと言う事か。これからの彼女の活躍が楽しみである。
「……しかし、この成長具合は少し恐ろしいと思うな」
どうしてこんなに経験値が……。
「それは豆羽ユウトが加護を送ったのが、【剣術の神の副神】である豆羽ブレイドだけではなく、【ライバルの神】である月裏オボロの加護も得ているからだよ。
【ライバルの神】の加護を受けている者は、経験値を多く出すんですよ。まぁ、それも人類の全てが【寿司】なわたくしからしたら、必要な処置ですけどね」
そう言いながら、一人の女が目の前に現れて来た。
金色の髪を背中で三つ編みにした青い瞳の深窓の令嬢と言う雰囲気を漂わせている。小柄な体躯で、黒の学生服を着ており、その右腕に大きな銀で出来た錫杖を持っている。
「初めまして、で良いんだよね。わたくしの名前は、月裏オボロ。そこで倒れているユウト君が【大寿司】で、加護を渡してさらに【剣術の神の副神】である豆羽ブレイドにも協力を頼んでおいた、君達が崇め奉る神様です」
そう言って彼女は、錫杖をシャランと鳴らすのだった。