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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
神次元ゲイム・オボロ
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姫を賭けての戦争(1)

「……ふむ、そちらにも譲れない事情があるのだな。ならば、後は互いに互いの力のぶつかり合いだな……勇者ユウト、行くぞ!」



「あぁ、はい! 分かりました! 姉さんも行くよ!」



「……分かります」



 ユウト、リリーベル、それからイスルギはそれぞれ武器を構える。騎士団の連中は圧倒的に彼らを応援するようにして、彼らを見ていた。そして騎士団の人達からのあからさまな恨みの念を受けながら、僕、紅葉、月裏さんの3人は互いに戦闘準備に入る。



「激しい激流よ、敵を流しきれ! アクア・レイニー!」



 紅葉は大きな水の球を作り出して、その水の球を敵である勇者達めがけて発射する。発射された水の球の前に、イスルギが出てイスルギはその水の球の前に自分の腕を突きだす。



「雷鳴せよ」



 その声と共にイスルギの腕は、雷に包まれてその雷にて包まれた腕で水の球を霧散させていた。

 雷の腕……なるほど、あれが雷の神の加護か。僕の【大剣の戦女神】の加護よりも、加護を得ていると言うのが分かりやすいな。



「二流二剣流、首狩り!」



 ユウトは大剣と聖剣の2本の剣を持ったまま、クルリと回転してその2本の剣で僕の首を狙って来る。



(大剣と聖剣、そして『二剣流』と言う言葉……。これはもしや、僕の真似事か? 勇者のくせに、人の真似事って……)



 そう思いつつ、僕は大剣・無銘と聖剣・ヒカリでその攻撃を防ぐ。その間に月裏さんが火炎を纏った状態で、リリーベルに向かって行く。



「炎葬・火化粧!」



 あの技は月裏さんが最近手に入れた技で、直進しか出来ないが自らを火炎その物に変えて無敵状態になって、相手に突っ込むと言う彼女の大技。あの技ならば魔法使いであるリリーベルさんでは、どうも出来ないはずである。

 そう思っていた。そう、僕はそう思っていた。しかし……



「「なっ……!?」」



 僕と月裏さんは揃って声をあげる。何故ならばリリーベルが月裏さんをその手で掴んで(・・・・)いたからだ(・・・・・)



「……」



 熱そうとも思わずに、そしてそれがまるで当然の事のような顔でリリーベルは攻撃を続ける。



(僕の二剣流を真似する勇者ユウト、それから雷を纏う『教会騎士団』筆頭……。さらには火炎と化した月裏さんを平気で触る事の出来る勇者の姉であるリーンベル……。こちらはいつものパーティーじゃないのにどうしてこう厄介な連中ばかりが)



 そうは言いつつも、これは姫をかけた戦いであり、敗ける訳にはいかない。『勝てば官軍、敗ければ賊軍』と言う言葉があるようにこの戦いに勝利しなければ僕は姫を失い、そしてこの場から無事に帰れるかどうかも怪しい。この戦闘には必ず勝利しなければならない。そう、必ずだ。



(そのためには使える物はなんでも使う! 操り人形(マリオネット)!)



 僕はユラギーンから手に入れたスキルを使う。操るのは、僕自身が持っている大剣・無銘と聖剣・ヒカリの2本の剣。2つの剣に土の魔力を込め、宙に浮かばせる。そしてその2本の剣を敵に目がけて発射し、発射したその剣を操作して、この中で一番戦闘経験の深そうなイスルギの方に発射する。



「宙を浮かぶ剣とはまた面妖な……! しかし、敵に奥する事なく戦い続ける事こそが、教会の信者たる我の使命!」



 宙を浮かぶ剣に臆する事無く、彼は聖剣を構えて迎撃態勢に入る。雷の加護の力なのか、その雷を聖剣に纏わせた状態で大剣・無銘と聖剣・ヒカリの2つの剣に当てようとする。



 イスルギの持つ雷を纏う聖剣と、僕の浮かばせている聖剣・ヒカリに当てようとしたがその瞬間、僕は聖剣・ヒカリの中に込めた土の魔力を使う。聖剣・ヒカリを中心として大きな岩の塊が作られていき、イスルギの右半身はその大きな岩と一体化して全く動けない状況になっていた。



「土よ、彼の者の身体を土にて固めて、彼の者の自由を奪え!」



 紅葉が追撃して、イスルギの左半身を土で埋めていた。

 そして僕は操り人形(マリオネット)で土の中から、聖剣・ヒカリを回収して置く。



 これでやっと1人片付いた。残るは後2人だが、騎士団筆頭の実力者を封じ込めた事は勝利に近付いた気がする。

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