姫ちゃんと紅葉、一騎当千す
洞窟の中に入るとそこには沢山の大猿の姿がそこにはあった。
体格はゴリラのような大柄、両腕は過度に発達していて太い鉄パイプくらいの太さ。足も同じくらい太く、腹筋はいくつにも割れている。顔は発情した猿のように赤く、悪そうな顔をしている。そして首に高価そうなネックレスを付けている。
そんな大猿が何体も居て、「ウッキー!」と大きな声を出して暴れている。
「コポン?」
「あぁ、うん。メスですね。オスのように下品そうな顔だけど、これでもまだマシなメスザルなんだって。あの腹筋も50はないしね。
オスは50以上、ボスザルだと100も行くんだって」
暴れている大猿の群れを見ても姫と紅葉は冷静に対応している。まるで危険などないかのように。
「ウッキー!」
マネーザルのメスザル達は高く飛んだ。恐らく揺がここに居たとしたら彼の目にはマネーザルの姿は捕らえられなかっただろう。大きいと力がある分遅いように思われがちだが、それはあくまでもただ大きい場合のみ当てはまる。マネーザルの平均30近い腹筋の割れ目は筋肉の異常発達を意味し、発達した筋肉は爆発的な加速力、異常なまでの握力、そして脚力を持つ。本来であればこんな場所で居るモンスターではないが、このマネーザル達は弱かったからと言う理由でこの洞窟へとやって来た単なる弱者なのだが、今のままの状態で戦えば朝比奈揺は負けてしまうだろう。しかし、この場にその朝比奈揺は居ない。この場に居るのは姫と紅葉である。
「まぁ、レベル制限はありますが行けるでしょう。フリーズショック」
しかしそのメスザル達の足は紅葉の魔法によって凍り付いていた。いきなり空中で足が凍らされて戸惑うマネーザルのメスザル達。
「コポン! コポ、コポン!」
そんな動揺するメスザル達を姫は空中に妖術で刀や槍を作り出し、それをぶつけてマネーザルを倒していた。マネーザルは倒れ、マネーザルの身体は消えてその下にはネックレスなどの金目の物がばらばらと落ちていく。
「コポン!」
その落ちた金目の物を姫は狸族の袋で中に入れる。
そのまま2人は奥へと向かって行く。
奥へと入って行くと中にはさっきよりも腹筋の割れているオスザルだと思われるマネーザルたちが数匹、そして奥に鎮座する明らかに腹筋も金目も凄そうな物を付けているボスザルが居た。
「居たよ、ボスザル。早めに倒そう、姫ちゃん」
「コポン!」
そう言って紅葉は火炎の魔法を作り出し、姫は妖術で風の刃を作り出して攻撃する。
姫と紅葉はその技でオスザルとボスザルと向き合っていた。
「フレア・ボール!」
「コポ、コポコン!」
そして2人はオスザルとボスザルを倒し、沢山の金目の物は落ちて。
姫は狸族の袋へと収納した。そして帰る頃には彼女達は相当にレベルを上げていた。
【朝比奈揺 Lv.3 種族;人間 職業;なんちゃって剣士 HP;190/200 MP;50/90
姫 Lv.8 種族;獣人(狸族と狐族のハーフ) 職業;なし HP;92/220 MP;140/400
紅葉 Lv.8 種族;リッチ 職業;魔法使い HP;29/96 MP;1790/4400
ー只今、姫の身体には金目の物を収納しておりますー】