表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
ハイスキルC×C NEW ENEMY
116/266

ボス魔物 シルバーカシラウルフ 1

 【犬人の洞窟】をある程度進むとコボルトは襲って来なくなった。襲って来なくなったと言うよりかは、奥へと逃げてしまっている。どうやら僕達に勝てない事が分かって、このコボルト達のリーダーが居る所に助けを求めに行っているのだろう。そのコボルト達のリーダーが居る場所と言うのが、どうも洞窟の奥のようである。



「偶然……かな?」



 この依頼の目的地が、【犬人の洞窟】の奥。そしてコボルト達のリーダーが居るだろう場所も洞窟の奥。これは偶然なんだろうか?



「……どうもその封印されていたのは、コボルト達のリーダーだったりするんでしょうか?」



「そうかも知れないな」



 その封印をパーティーメンバー達が壊したりしたのだろうか? けれども、その封印を解いたとされているAランクパーティーである彼らが倒せなかったとされるモンスターを僕達が勝てるのだろうか? それと、



(……負のエネルギーが増えている理由が、分からない)



 洞窟の奥で増えている負のエネルギー。それが増えている理由が分からない。どうなっているのだろうか?



 そしてどんどん奥へ奥へと向かって行くと、開けた場所に辿り着いた。恐らくここが洞窟の最奥なのだろう。そしてそこには1匹の巨大なモンスターが居た。



 凶暴そうな銀色の狼の顔と、大の大人を軽々と越すくらい出来ると思われる筋肉質な5mはあろうかと言う大きな身体。そしてその頭の上には金色の古ぼけた王冠が載っている。その腕にはその巨体に合わせて作られたかと思わせるくらい巨大なハルバートを持っている。

 明らかにコボルトとは思えないそのモンスターは僕達を見るなり大きな雄たけびを上げる。



「カシラウルフ……!」



 ユリエル姫がそのモンスターを見て苦しそうな顔で名前を呼ぶ。



「カシラウルフ?」



「……コボルトの上位種とされているウルフマンの中でも、特に優秀な個体。つまりは群れのリーダーともなるモンスターです。本来であればこんな所に出て来るようなモンスターではありません」



 なるほど、つまりはイレギュラー的な存在と言う事か。てっきり他のコボルト達よりも大きいコボルトを想像していたが、これは予想外だ。どうも今まで戦っていたコボルト達よりも強いと言う事は分かるのだけれども、このダンジョンに対してこのモンスターはあまりにも強すぎると思うんですけれども。



「これが、この洞窟の奥に封印されていたモンスターだと思いますか? ユリエル姫?」



「……多分、そうだとは思うんですけれども、普通のカシラウルフは茶色い毛並をしているはずなんですが、あのカシラウルフは銀色の毛並をしていますから、仮にシルバーカシラウルフとも言えるべきあのモンスターはここのボス的な位置に立っていると思われます」



 まぁ、そうだろうな。

 明らかに他のコボルト達よりも強そうだし……ってあれ?



 ここに逃げ込んだはずのコボルト達の姿が見えない。結構な数のコボルトが逃げ込んだはずなのに、1匹も居ないとはどう言う事なのだろうか?



 と言うより、今はそんな事よりも



『GYAAAAAAAAAAAAAA!』



 雄たけびをあげて、こちらをいつ食おうかと睨み付けて来る、このシルバーカシラウルフをなんとかしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ