姫ちゃんと紅葉、洞窟を探す
姫ちゃんと紅葉は2人でヒメハジメの街に来る時に通った草原近くを歩いていた。
「こう言った場所では様々なモンスターの生態が確認されています。先程、それとなく酒場に行って聞き出した結果、この近くにはマネーザルの巣と言う物があるらしいです」
「……コポン?」
「マネーザル。別名、宝物猿。金目の物に異常なまでに執着を覚える種族で、1人のオスザルをボスザルとして君臨し、他の数多のメスザルやオスザルはそのボスザルに金目の物を献上する大猿のモンスター。そのモンスター自体の素材は大した物じゃないけど、溜めこんでいる金目の物を手に入れればそれを売る事が出来ます。
私は空間魔法を使えませんが、姫は確か狸族特有の何でも入る袋を持っていますよね?」
「コポコポ」
「なら、重畳」
そう言って草原を歩く2人。草原を歩いてるとあからさまに大きい猿の足跡があった。それぞれの足跡は無駄に深く沈んでいる物から浅く沈んでいる物まで多々ある。しかし足跡の大きさに対して深さが釣り合っていない。
「マネーザルの足跡で間違いないでしょう。なにせ足跡と深さが釣り合っていないのは、背負っている宝物の重さで、無駄に身体が重くなっているのが原因でしょう。となると、こっちですね」
「コポ、コポン! コポン!」
「はいはい、行きましょうね」
そう言って紅葉と姫はその足跡の先へと向かって行く。
「あっ、洞窟発見。さっさと入りましょう」
「コポン!」