表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
死神だけど愛さえあれば関係ないよねっ!
105/266

死神の格差

 リーンベルの持つ異能、【怨恨載せ(ウラミツラミ)】。

 その異能は単純明快な異能である。『殺した相手の恨みを武器に纏わせて、強さを上げる』、そう言う分かりやすい異能である。それ故に力を付けるために彼は、沢山の人間を殺して力を付けていたのである。



 そんな死神、リーンベルは目の前に現れた殺害対象である4人と1匹を見て、ニヤリと微笑んでそのまま殺害対象へと向かって行く。



「二剣流風斬り!」



 僕はそう言う風にして迫って来たリーンベルに向かって、聖剣と大剣の二剣流で攻撃する。リーンベルはそれをポン! と僕の身体を跳び越えるようにして後ろに居た紅葉に、その大鎌、首狩(ハンター)を構えて紅葉の身体を斬ろうと行動する。



(……不味い!)



 このままでは紅葉があの大鎌で狩られてしましょう。どうやって防ごう。このままだと……紅葉が。



「魔術、水縛り!」



 紅葉は水の魔力を練って、紐状の水でリーンベルの両腕を縛り上げる。縛り上げられた両腕によって、リーンベルは攻撃を妨害されてその大鎌を振るえなくなってしまっている。そんな彼に対して、姫が札を投げて炎を放った。放たれた炎は彼の身体を焼いていた。



「熱っ!」



 と、リーンベルが熱を怯んでいたのを、すぐさまジャックと呼ばれていた黒猫がその爪の代わりに付けた短剣で黒猫とは思えない速さで、向かって行ってその短剣を振るう。



【―――――猫鋭断分離!】



 ジャックはその短刀を自由自在に振るって、リーンベルの身体を切り裂く。リーンベルの両足はそのジャックの攻撃によって、傷だらけにされて血が出ていた。そして彼は傷を受けて倒れる。



「くっ……!」



 リーンベルは苦しそうにうめき、そこに鎌を持ったアンジェリーが急接近。鎌を振るう。



「アンジェリー流、鎌芸術(アートスティック)腕斬り《アームカッティング》!」



 アンジェリーは鎌を大きく振るい、そして鎌でリーンベルの両腕を切り落としていた。アンジェリーのその鎌捌きは見る者を魅了する、そう言う芸術性を覚えるような理想的な攻撃だった。アンジェリーの攻撃によって、落とされる両腕。そしてその腕に持っていた大鎌、首狩ハンターも落とす。しかし、それでもなおリーンベルはその鎌を振るおうと口で持とうと口を突きだす。



【アン! ベルはまだ首狩を掴もうとしておる! お主が持つのじゃ!】



「はい、先輩!」



 ジャックの言葉を受けたアンジェリーはすぐさまその大鎌、首狩(ハンター)を握りしめて、リーンベルの姿が届かない場所へと移動する。それを見てリーンベルは「フフフ……」と笑っていた。



「圧倒的不利……やはり目先の殺し(喜び)に囚われてしまいますと、負けてしまうのは自然的な行為でしたか。

 ここは避けて通りますか。首狩(ハンター)を失うのはつらいですけれども、私の命には変えられませんし。では、これにて失礼……」



 そう言って、リーンベルはその身体で、その生きているのも可笑しいような身体で宙へと逃げ出し、










「私の兄さんを殺そうとして、無事に逃げ帰れるとでも?」



 ザクリ、と首を斬り落とされていた。



【お主……!】



 ジャックはその少女の姿を見て声をあげる。



「どうして……ここに……」



 そして僕もまたその少女の姿を見て、可笑しいと思う。ここに居るはずの人物では無いからだ。そしてその少女は、僕を見てニコリと笑っていた。



「―――――――久しぶりだね、兄さん」



 その少女、前の世界で僕の妹で、そして異世界に行く前に死去してしまったはずの妹――――――朝比奈二世(あさひなふたよ)は笑顔を向けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ