朝比奈、再会する
「ゆらぎ――――――――――――ん!」
ガシッ、と誕生都市ローレライに紅葉と共に帰って来た僕、朝比奈揺は目の前の姫に思いっきり抱きつかれた。耳はふさふさで、心の底から嬉しくてしょうがないと言う感じで激しく揺れて、9本の尻尾はふりふりと揺れる。そしてその後ろからゆっくりとユリエル姫がやって来て、姫くらいほど激しくは無かったけれども抱きついて来た。
「……無事で何よりです」
と、ユリエル姫も眼から涙を流しながらそう言っていた。
「姫に、ユリエル姫。2人とも無事……だったんですね」
紅葉は2人の姿を見て、ニッコリと笑顔を見せる。久しぶりに揃った僕達4人。そして、僕も自然と笑顔になる。
微笑ましい雰囲気。しかし、それは長くは続かなかった。
【お主ら! 危ない!】
突如、そう言った声が聞こえたかと思うと、飛んで来る鎌の衝撃波。そしてその衝撃波は真っ直ぐに僕達へと向かって来る。僕はそれを見て、聖剣と大剣を構えてその2つの剣で―――――衝撃波を生んで相殺する。それを見て、それを作り出した眼鏡をかけた男性はムカッとした表情をする。
「リア充罪と言う事で、敵を殺しましょうと思っていたんですが、相殺されて少しムカつきます。と言う訳で、私は再び攻撃を――――――」
「させると思いますか!」
と大きな鎌を持った少女が先程の衝撃波を放った彼女に向かって鎌で攻撃する。
「とりあえず、あの衝撃波で攻撃しようとする、大きな鎌を振るおうとする彼を倒しましょうか」
「……同感です」
ユリエル姫は刀に付いた紐を飛ばして彼に巻きつかせる。そして紅葉がその紐に雷を放って彼へと向かって行った。
【お主ら……。戦闘の手助け、ありがとうじゃよ。
私の名前はジャック、そしてあそこの女性はアンジェリー。あの敵、リーンベルは私達も倒したいので、協力感謝する】
宙を浮かぶ黒猫、ジャックはそう言って来る。
「ジャックさん、ですか……。一緒に戦いますか」
【はい、そうしましょう】
僕はジャックさん達とも協力して、あの彼を倒そうと共闘する事になった。しかし相手、リーンベルさんからしたらそれはムカつく出来事だったみたいで、
「――――――――共闘して裁判官であり処刑者でもある私を倒すために、敵が共闘する……。共闘罪で死刑判決ですね」
リーンベルはそう言って、大きな鎌を構えていた。
(と言うか、あの何とか罪はなんなんだろうか?)
色々と突っ込んだらいけない気がする。突っ込んでも突っ込んでも、中身が無いように思えてくる。