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余り物には……福がある?  作者: アッキ@瓶の蓋。
死神だけど愛さえあれば関係ないよねっ!
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判決殺しの死神

【君達! さっさと逃げたまえ!】



 ジャックがそう言って姫とユリエル姫の所に向かうが、遅かった。



「――――――遠距離判決」



 リーンベルはそう言って鎌、首狩(ハンター)を大きく振るう。その鎌からは大きな衝撃波が生まれて、姫とユリエル姫めがけて地面をえぐりながら向かって行く。




【ちっ……! 猫爪引っかき!】



 ジャックはそう言って、短刀を付けた爪でその衝撃波を打ち消していた。



「「……ッ!」」



 突然の事に驚く姫とユリエル姫だったが、これがただ事でない事をすぐさま察知して戦闘態勢に入る。



【関係ないのまで巻き込んでしまったのう。アン、すぐさまベルを殺してでも、行動を止めさせるのじゃ!】



「言われなくてもですよ、先輩!」



 そう言って、アンジェリーは走りながら鎌を大きく回転させてリーンベルへと向かって行く。リーンベルは冷静に大鎌で狙いをつけて、振るう。



「――――――近距離判決」



 首狩ハンターを大きく振るうのに合わせて、アンジェリーは跳び、自身の鎌を縦にしてリーンベルめがけて振り上げる。



「馬鹿な女。死にたいのですか」



 そう言って、リーンベルは再び首狩(ハンター)を動かそうとして手を動かすが、動かない。良く見ると手首に紐が巻き付いて動かなくなっていた。紐の先を見ると、そこには先ほどのユリエル姫の姿があった。



「ちっ! そう来ましたか」



 リーンベルはそう言って舌打ちしながら鎌を持っていない方の腕を突きだして、アンジェリーの鎌を防いでいた。



 金属音。



 そして、アンジェリーは斬り続けずに一旦後退していた。リーンベルが防御していた腕の服の裾は破かれており、そこにあったのは黒い鉄のプレートが巻きつかれていた。



「……ありがとうございます、そこの人」



「……いえ、お互い同じ敵ですので協力しているだけです」



 アンジェリーの礼に対して、ユリエル姫はそう答えていた。姫は敵を見て、札を取り出す。



「朝比奈さんを探すのに、こいつは邪魔ですね! 燃やします!」



 姫は札を放つ。札は炎の弓矢のようにまっすぐに、一直線にリーンベルへと向かって行く。その炎の札をユリエル姫の巻き付かれていた紐を解いたリーンベルは、その炎の札を視界に入れる。



「――――――炎断罪」



 リーンベルはその炎の札を、鎌で斬っていた。



「ムキ―!」



 と怒る姫に対して、リーンベルは普通に「フフフ……」と言っていた。



「判決を認められないあなた達に告げます、大人しく死になさい」



 そう言って、リーンベルは自ら鎌を持って向かって行くリーンベル。それに対して彼女達は防ごうとそれぞれ行動するが、そんなリーンベルを目がけて赤い弓矢のような物が向かって行った。



 赤い弓矢。それは流星のような物で、空から物凄い勢いでリーンベル目がけて落ちて来る。リーンベルは驚いて離れていた。

 そして落ちて来たその赤い弓矢は地面に突き刺さると共に、大きく爆発して衝撃を生む。土煙が上がり、リーンベルは敵の姿を見失う。



「……これは、いったい」



 ユリエル姫がそう言って、隣に居る姫の様子を見ようと振り返るとそこには今までここに来るまでの旅路で一度も見せなかった――――――()が居ない間、見せた事のない満面の笑みを浮かべる姫の姿があり、



「ゆらぎん!」



 と、後ろから現れた朝比奈揺に対して、姫は嬉しさを含んだ声でそう言うのであった。

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