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罰ゲームな姉 5(終)

最後の砦である百合姉を探そう。

このゲームの考案者であり、そして一番やっかいな百合姉。

そう簡単に見つかるはずもなく、俺はしばらく公園内を探し回った。

数分探すが見つからない。そんな時、携帯にメールが届いた。

「ん?」

内容を見ると、そこにはこんな文章が。

〈私だけ鬼ごっこに変える?〉

悔しいが、そうするしかあるまい。

俺は頼む、と書いたメールを百合姉に送り、しばらくその場で待つ。

すると、メールが戻ってきた。

〈私が鬼ね。捕まったら……分かってるわよね?〉

え、ちょ、俺が逃げるの?

百合姉が鬼で、捕まったら……っておい! 百合姉ちょっと待て!

メールを送ろうにも既に足音がどこかからか聞こえ始めている。

逃げるしかない。逃げろ、百合姉から逃げるんだ。

「将ー? 早く逃げなさい?」

「うおわぁぁぁぁ!」

俺は携帯をポケットに詰め、その場から全力で走り始めた。



捕まった。

開始三分で百合姉に捕まってしまった。

まさか走り始めてすぐにこけたとか、そんなのがあるわけない。

ある訳ないよな。絶対にそんなわけないよな。

「……」

「転ぶなんて、将も子供ね」

地面に倒れている俺の上に、百合姉は逃げられないようまたがっている。

一応俺は百合姉のほうを向いているため、はたから見たら……ねぇ。

百合姉は俺のほうへ顔を近づけ、辺りに構わず俺を見つめてくる。

草むらに隠れてなどいないし、少し公園内に入れば見える位置なんだが。

「将……覚悟は良いわね?」

「ちょ、覚悟って、んっ……」

強引に百合姉が、俺にキスをしてきた。

下手すれば俺もろとも食べられそうなそのキスは、とても激しかった。

情熱的で、積極的で、そして相手を飲み込もうとしているキス。

他の姉さんたちにはない、貪欲さがにじみ出ているようでもある。

百合姉は俺に微笑んだ後、俺から離れて手を差し伸べた。

「立ちなさい。みんなで帰るわよ」

「あ、ああ」

家に帰ったらゆっくり休もう。うん。



俺は自分の部屋で一人、横になっていた。

まさかかくれんぼと鬼ごっこであんなに疲れるとは。

「……ずっと姉さんたちと一緒にいたいな」

姉さんたちと、いつかは離れ離れになってしまうのかもしれない。

だけど、俺は離れたくはなかった。

だから、この時間を大切にしよう。

もし離れる事があっても、笑顔で別れられるように。

これから新人賞に向けて他の小説書くので、この更新が遅くなります。

しばらくは「社会非適合者」でお楽しみください。

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