禁則破りの臨界温度 20(終)
寝室に、俺たち5姉弟は揃っていた。
久しぶりに帰ってきた家で、今俺は愛理姉に抱きつかれている。
「我慢できないの」
「愛理姉、何を吹き込まれt」
「何か言ったかしら?」
言おうとした事は、百合姉に口を塞がれて途中で切らされる。
愛理姉は俺をベッドに押し倒し、その上に乗った。
ちょ、丁度例の部分が……う、動かすな愛理姉ぇ。
「擦れてる……将君可愛い」
愛理姉は俺に顔を近づけ、顔をさらに真っ赤にする。
まずいぞ。これは愛理姉が暴走してしまう。
愛理姉の匂いが鼻を突き、俺の頭はノックアウト寸前に。
「愛理ちゃん。将君は私の物」
理子姉が愛理姉の隣にやってきて、俺の右足に自分の足をからめた。
……理子姉、何をするつもりなんだ?
「私も混ぜさせてもらおうかしら」
「……入れて」
百合姉と美香姉も動き、俺は四人に抱きしめられてしまった。
ちょ、みんな、落ち着いて、理性をしっかりと!
と言う俺も、徐々に意識が遠ざかっていき……
夜、愛理姉と理子姉にはさまれて、俺は眠っていた。
理子姉は起きていたのか、目を覚ました俺をそっと撫でる。
「ふふっ。将君って可愛い」
「……そうか?」
「……ねぇ」
理子姉は、急に顔を赤くした。
やけに緊張している。そんな様子が伝わってくる。
「どうした? 理子姉?」
「あのさ……」
理子姉は俺に抱きつき、耳元でこうささやく。
「私……将君の事が、大好き」
「理子姉……」
俺はしばらく動く事が出来なかった。
理子姉は目から一筋の涙を流しているが、その口元は笑っている。
「弟としてじゃなくて、男の子として。私は、将君が好き」
「……」
理子姉は俺に抱きついたまま、提案をした。
「キス、してくれるかな」
「キス?」
「他の人は寝ているし、ね」
理子姉の顔が徐々に近づいてくる。
だが、抵抗しようとは思わなかった。
それどころか、いつも感じている後ろめたさも全くない。
そして、理子姉の唇が――
〈将君。大好きだよ〉
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