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禁則破りの臨界温度 12

……うん。説明しよう。

姉さんたちがどんな水着を買ったのか、頑張って説明しよう。

「将君! ビーチボールもあるよ!」

愛理姉が買ったのは、ピンク色の可愛いビキニである。

笑顔が太陽で輝き、ジャンプするたびにその胸はゆっさゆっさ揺れる。

くそぉ。どうしたらいいんだこれ。どうしようもないものに登録してやる。

「いいわね! 一緒にバレーやりましょう? 将君」

理子姉は……確か、フィットネス水着、って言うのか?

お腹の辺りがこんにちはしていて、見るだけで失神確定な格好である。

黒髪は綺麗に輝き、風でなびき、何だか良い匂いもした。

これは……非の打ち所がない。流石は歌手。完璧なスタイルだ。

だが、愛理姉と理子姉はまだ序の口だった。

「私も参加していいかしら? 将」

ちょ、おま、百合姉、それ、競泳水着はやめ、やめろっ。

ここにいるほとんどの男の人たちが、みんな百合姉を見ている。

恐らくEはありそうな胸に、大きなお尻、細い腰と脚。

完全に、俺を失神させる事が目的でそれ買っただろうが。

「い、いいよ」

「よし、じゃあやるよ!」

愛理姉はビーチボールを上にぽーんと投げた。

それを理子姉、俺、百合姉の順番に打ち返していく。

その度に、胸が、たぷん、たぷん、と。ど、どっちがボールだっけ?

「……」

ビーチボールで遊んでいる俺のちょっと後ろで、傘の下に入った美香姉は例の本を読んでいた。

その隣には、地面に置いた本を読んでいる未優さんの姿も。

チラ見した所、美香姉はスクール水着らしい。

……どこから引っ張ってきたんだそれ。

「将君!」


少し考え事をしている俺にボールが飛んできた。

見事に衝突し、俺はそのまま後ろにぶっ倒れる。




海で俺たちは泳ぐことになった。

遠くから美香姉と未優さんが見ている中、俺たちは泳ぎ始める。

競泳水着姿の百合姉が脇を通り抜けていく。

俺は水面から顔を出し、立ち泳ぎのまま話した。

「百合姉、泳ぐの速いって」

「そうかしら?」

百合姉も立ち泳ぎで答える。

愛理姉は浮き輪につかまり、ぷかーっとこちらに寄ってきた。

理子姉は浜辺でサインを受けている。というよりここでも書くのか。

有名人は辛いな、と思った矢先、百合姉が俺の腕を掴んできた。

「ちょ、しじ、しじみ、しず、沈むって!」

「沈まないわよ。愛理の浮き輪に掴まってるんだから」

ぐっと引き付けられた時、顔に百合姉の胸が強く押し付けられた。

む、やわらかい、ってそれ所じゃない、し、沈む……沈まない?

確かに百合姉は愛理姉の浮き輪に掴まっていて、俺たちは浮いていた。

俺は愛理姉の浮き輪に掴まり、下で少し足を動かす。

「しょ、将君。そんなに見ないで」

俺と愛理姉の目が合った瞬間、愛理姉は顔を真っ赤にした。

ピンク色の可愛いビキニの紐が今にも切れそうな勢いである。

ぐ、た、谷間が、うおっ、目をそらせ俺。

「……おっ?」

その瞬間、俺は足に鋭い痛みを感じた。

その時に手も離してしまい、俺の身体は海の中へと沈んでいく。

「将!」

「将君!」

足、つった。

その瞬間、近くで大きな水しぶきが起きた。

あれは……理子、姉……なの……か?



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