引きこもる姉 1
美香姉が引きこもりを始めた。
学校にも行かず、家からも出ず、ずっと部屋にこもっている。
「おーい、美香姉。今日も行かないのか?」
「行かない」
ドア越しに話しかけること、3日目だった。
三日前からずっと部屋から出てこなく、今日も俺は愛理姉と2人で学校に行く。
家から出て、俺は愛理姉につぶやいた。
「何か美香姉にあったのかな」
「将君が来る前にも一回だけあったよ」
「俺が来る前にも?」
愛理姉は何だか不思議そうな顔をしていた。
美香姉の過去に何かあったのだろうか。
「部屋に入ったりとかしなかったのか?」
「美香ちゃんはあまりそういうの好きじゃないからね」
家に帰ったら聞いてみるか。
休み時間、学校で健一に話を聞いていた。
「美香さんが引きこもり?」
「出てこないんだよ。三日前から」
俺が引っ越す前から美香姉を見ている健一なら何かわかるかもしれない。
そんな気がしたからこういう会話となっている。
「俺が来る前に一回あったらしいけど、覚えてるか?」
「ああ。学校に数日くらい来なかった事があったな。そういえば」
「そうか……」
反応を見ていたところ、健一は何も知らないらしい。
美香姉、一体どうしちまったんだ?




