表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/375

看病する姉 2

「……何だか、二人暮らししてるみたいだね」

「ああ」

「将君と2人だけだったら、毎日こんな感じなのかな」

「……だろうな」

クラスメイトで仲がいい人はあまりいないから、多分そうなるのだろう。

チャーハンを食べながら俺はリモコンを操作して、テレビをつける。

〈だめだよ、姉さん……こんなことをしちゃ〉

〈分かってるわ。それでも、私……〉

俺と理子姉は口からチャーハンを吹き出しそうになってしまった。

何をやっているかは、聞いてお分かり。姉弟の恋愛ドラマである。

「……チャンネル、変えるか?」

「そ、そうね」

チャンネルを変えると、丁度教育テレビだった。

内容は高校数学。分からんわい。……前にも見たことがあるような気が。

「……変えよう、将君」

「だな」

もう一回変えると、今度はニュースの番組だった。

何だか理子姉の特集やってるぞ。

〈白金理子さんは、実は……!〉

「わぁぁぁぁ!」

急に理子姉が俺からリモコンを奪い、チャンネルを変えてしまった。

〈極度のブラ……〉

「……セーフ」

「どうしたんだ? 理子姉」

「な、なんでもないよ。チャーハン食べよう?」


結局面白い番組はやっていなくて、またさっきのドラマに戻ってしまった。

〈姉さん……もう俺たち、ダメだな〉

〈道、踏み外しちゃうね……〉

俺と理子姉は一瞬で顔を真っ赤にした。

ドラマでやっているのは、朝にやるのか疑問である濡れ場シーンだ。

チャンネルを変えようとしたが、俺は手が震えてしまい、リモコンを下に落としてしまう。

「あぐっ」

リモコンが足の甲に当たり、俺はその場でけんけんした。

その間にもテレビではどんどん進んでいき、理子姉はがくがく震えている。

〈姉さん、俺、ずっと姉さんの事が……!〉

〈私も……あなたが欲しい……!〉

「はわわわわわ」

俺がリモコンを取り、テレビを消した頃には理子姉は灰になっていた。

おーい、理子姉? ……む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ