看病する姉 1
「ご主人様争奪戦」のおかげか、俺は風邪を引いてしまった。
今日は何気に学校がある日で、愛理姉たちは登校。百合姉はカフェだ。
家には倒れている俺と、その俺を看病してくれる理子姉がいる。
「将君ごめんね」
「部屋の窓開けっ放しで寝たらそうなるよ……俺のせいだ」
「ううん。閉めなかった私が悪いわ」
現在、朝の8時。平和だなぁ、と感じながら俺は携帯を握る。
メールボックスには、健一から一通、美香姉から一通、愛理姉から三通。
愛理姉はどれだけ寂しがりやなのか、恐ろしい頻度でメールしたりする。
流石に全部には答えられないため、体調が良い時は返すが。
「何か食べたい物はあるかしら? 将君」
「無理はしなくていい。理子姉に迷惑はかけたくないし」
「じゃあ、私が料理しておくね」
そう言うと、理子姉は微笑みながら俺の部屋から出て行った。
何を作るんだろうか。……そういえば、理子姉の料理はまだ食べてない気が。
重い身体を起こし、俺は台所へ向かってみた。
そこでは、理子姉がエプロンを着て料理をしている。
フライパン振って何をしているのだろうか。
「何作ってるんだ? 理子姉」
「チャーハンよ。将は好きかしら?」
「ああ」
俺は気がつくと、理子姉の後ろ姿に見とれてしまっていた。
理子姉はフライパンを傾け、チャーハンをお皿に盛る。
そしてテーブルに皿を運び、れんげとかを並べる。
テーブルの上には2人分並んだ。
「いただきます」
「いただきます」
理子姉と俺はチャーハンを食べ始めた。
うん、うまい。豚肉がいい感じになっている。
「理子姉って料理出来たっけ?」
「いつもはしないだけよ」
……何だか、いつもは美香姉たちも一緒なのに、2人きりって変な感じだ。
将来、理子姉と暮らす事を決めたら俺はこうなるのだろうか。って一体何を考えているんだ俺は。