コスプレイヤーな姉 4(終)
結局、俺の部屋に戻った。が、
「おかえりなさいませ、ご主人様!」
そこには、メイド姿の理子姉がいたのだ。
「ぶっ」
「……おかえり」
その横にはメイド姿の美香姉も立っている。
訳も分からず突っ立っている俺に、理子姉は慌てたように説明した。
「あ、百合姉が買ってくれたの。愛理ちゃんが買うついでにね」
「……可愛い」
美香姉もなんだか楽しそうだ。
とは言うものの、何故にみんなコスプレをしているんだ?
「何故理子姉たちも?」
「あ、知らないの? 百合姉のカフェで一週間メイドのサービスするんだ」
百合姉ぇ……あなたのせいだったんですかこれ……
ため息をついた俺に美香姉は言った。
「……眠い」
美香姉は俺のベッドに入り、そのまま恐ろしいスピードで寝てしまった。
理子姉はあらら、という顔で微笑む。
……美香姉も理子姉も、メイド服って似合うんだな。
「ライブでも来たらどうだ?」
「恥ずかしいよ。ポニーテールもやるの勇気いるんだし」
「お客さん倒れちゃうからな」
「そうね」
理子姉はその場でくすくすと笑った。
その時、部屋のドアがバーンと景気良い音を立てて開く。
「カルピス飲まないんですか? ご主人様」
愛理姉がいた。そして、その後ろには百合姉も。
……なんで百合姉もメイド服着てるんだおい。なんなんだこの人。
「みんなでご主人様争奪戦でもしましょう?」
「いいねそれ」
理子姉は腰に手を当てながら言った。
「私もやる!」
愛理姉は堅苦しい言葉遣いから一転し、思い切り明るい声で言う。。
「……やる」
ベッドで美香姉も起き上がって言った。
ちょ、待って、みんな、うわぁぁぁぁ!