バレンタインデーの姉2018(3)(愛理姉)
妙にドキドキしてしまっている。
いつも以上に姉さんたちが魅力的に見えるこんな日を自室のベッドの上で一人過ごしていた。顔を合わせるのが恥ずかしいと言う訳ではないけれど、なんだか今日は好きが多すぎてどうにかなってしまいそうでこうして布団の中で丸くなるだけだ。
目を瞑れば朝の理子姉の微笑みや美香姉の火照った表情、いつになく可愛い愛理姉の立ち姿に百合姉の色気を孕んだ大人な佇まいが浮かんでいく。その一つ一つがたまらなく愛おしくて言葉にならない変な声を上げそうだ。
布団の中で唸っていると、部屋の戸がコンコンと優しくノックされた。
「将君、いる?」
「愛理姉……」
もう夕方とも言えるような時間、そこには愛理姉が立っていた。
赤いタートルネックのセーターに身を包んだ愛理姉の手元には白い包装紙と緑色のリボンで綺麗に包まれた何かがあり、ぼんやりと赤くなっている顔の口元をそれで隠していた。
「え、えっと、チョコ、渡そうと思ったんだけど」
「そうか、ええと、ありがとう」
お互いにぎこちない言葉でチョコレートの受け渡しが行われる。見た目に反して結構重みがあった。そのチョコレートを近くの棚に置き、そのままくるりと回って部屋から出ようとした愛理根の背中を見た瞬間反射的に抱き着いてしまう。
「ひゃっ……!」
「あっ」
自分で気が付いた時にはすでに遅かった。
少し背の低い愛理姉の小柄な肩、華奢な二の腕に暖かい背中、そしてむちむちと柔らかく弟を誘惑して止まない魔性のおっぱいを感じ取ってしまった俺は彼女を部屋から出さずにその場で抱き留めてしまう。
愛理姉は勿論驚いたような声を上げたが、それだけ。抵抗してくる気配はない。
「え、ええと、将君……」
「ど、どうしたの」
「どうしたって、こっちが聞きたいよぉ……」
やや上ずっている彼女の声はすっかり期待してしまっているいけない声だった。
止められない。今すぐにここで愛理姉を滅茶苦茶にしたい……!
「将君、まだ、まだ駄目だよっ」
「えっ……?」
「ご飯作らなきゃいけないし、えっと、他には、ご飯……」
しゅるしゅると愛理姉の言い訳じみた言葉が小さくなっていく。
前の方に首を伸ばすと愛理姉も振り返ったようにして唇を重ねてくる。
「んっ……」
二人で密着しながら行われるキスに身体が熱くなっていく。
股関節の辺りに愛理姉の柔らかいお尻がスカート越しに当たり、こちらのすっかり出来上がってしまった物も姉さんにバレてしまう。我慢出来ずに下から愛理姉の服の中に手を差し込むと、むわりと暖かい空気と汗ばんだ肉に包まれる感覚で頭が幸せいっぱいになる。
「やっ、だめだよ、将君のえっち……!」
愛理姉がそう言った事で手が止まる。
その隙に彼女はくるりと腕の中で回り、今度はそちらから抱きしめてくる。
「だめっ、今そんな事されたら、将君と最後までシちゃう……」
どくり、と心臓が大きな音を立てる。
涙ながらにそう告げた愛理姉はそのまま俺を後ろに会ったベッドへ押し倒し、顔の上にセーター越しの大きな胸をむにんと押し付けてきた。
「むうっ――」
「今はこれで我慢、我慢しよう?」
そう言った愛理姉の顔は分からない。ただ彼女の胸が気持ち良すぎる。
むにゅ、むにゅと形を変える愛理姉の胸に甘えていると先程までの暴力的な衝動は収まったようだ。愛理姉の身体を抱いていると少しずつ安心して来てしまいには眠ってしまいそうになってしまう。
「愛理姉……」
「もうっ、将君は甘えん坊さんなんだから……」
お母さんのようになったような愛理姉に溺れること十分が経った。
そろそろ愛理姉はご飯を作らなければならない。でももっと愛理姉に甘えたい……
「行かないで……」
「あーっ、だめな物はだめっ、みんなに迷惑かけちゃうよ……」
愛理姉のおっぱいから顔を出すと、ちょっとだけ悲しそうな彼女の表情が見えた。ずるい。そんな顔を見せられたら愛理姉の言う事に従う事しか出来なくなってしまう。
「分かったよ……」
「後でまたいっぱい甘やかしてあげるからね、それに次は……」
自分でそう言って顔を赤くした愛理姉はベッドから出ると口元を指で隠すようにして部屋から出て行った。愛理姉のあの大きな胸の感触が忘れられなくてしばらく呆然としてしまった。




