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年始の姉2016

 愛理姉が年越しそばを持って来た所で皆が目を覚ました。今年は8人分であったため少し時間がかかったという。酒で潰れていた理子姉となぎささんの様子もいくらかマシになり、みんなでそばをすすり始めた。そんなことをしているとテレビでは歌合戦が終わり、ぼーんと除夜の鐘の音が鳴り響き始める。もうそんな時間だった。

「今年も色々あったねー」

「そうね」

 何も言わずにそばをすすり続ける。思い出がありすぎて思い出しているとそばを食べる手が止まってしまっていた。愛理姉は何を思い出しているのかそばをすすりながら顔を真っ赤にしている。美香姉は何を考えているのかよく分からない。理子姉は楽しそうな顔をしていて、百合姉は愛理姉の様子を見て何か考えながら食べている。千秋さん、なぎささん、希さんも何か考えているようだ。

「もうすぐ今年も終わるね」

「うん」

 美香姉はうすぼんやりとした目でそばをすすり続ける。理子姉もあまり箸が進んでいない。先ほど飲み過ぎたのか、食べ過ぎたのか、絡み過ぎたのか。なぎささんは頭を抱えながらそばをすすっていたが、途中で何かを思い出したのか、がくっと大きな音を立てて震えた。その後に理子姉の顔をちらと見た後、カァァと顔を赤くしてうつむいた。

「何だかもう何もすることないな」

「そうだねぇ」

「のんびり……」

 言葉は必要ない。一緒にそばをすすっている、ということだけで十分だった。愛する人がそばにいることの大切さは実際に失ってみないと分からないと言う。だから、今のこの時間を大切にしなければならない。テレビから流れるお坊さんの念仏や、除夜の鐘が響く音を聞きながら、のほほんとそばをすすり続ける。

 一番最初にそばを食べ終えたのは千秋さんだった。その後に百合姉、なぎささん、理子姉と続く。希さん、愛理姉、美香姉、俺の四人はのんびりと食べていた。そして四人が食べ終わった頃、テレビからは「あけましておめでとうございます」の言葉が聞こえてきた。

「あけおめー」

「あけおめー!」

 新しい年になった。それと同時に、皆は疲れ果ててしまったのか、こと切れるようにぱたんと倒れる。ああ、非常に充実した年越しであった。今年もよろしくお願いします。


今年もよろしくお願いします(`・ω・´)!

第8期は3月中旬あたりから更新始めますぞ

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