クリスマスの姉2015 4
なんだかんだでパーティーの準備も終わり、やっとのことでパーティーに入った。百合姉も疲れが大分取れたらしく、千秋さん・愛理姉の二人と共に戻ってくる。いつも通りの八人でテーブルを囲っていた。百合姉と千秋さん、なぎささんはシャンパンを飲んでいて、愛理姉と希さんはカルピスを飲んでいる。どうやら希さんはお酒が苦手らしい。
「やっぱりまだ疲れは残ってるのか?」
「大丈夫よ。食べたら良くなって来たから」
正確に言えば飲んだら良くなってきた、だろうか。用意していた食事はどんどんなくなっていき、シャンパンとカルピスもどんどんなくなっていく。ジンジャーエールを飲みながら様子を窺っていると、理子姉となぎささんは酔って来たらしく、うつらうつらとし始めていた。百合姉と千秋さんはザルなのかまだ飲めるようである。美香姉は背もたれに寄りかかりながら眠っていた。愛理姉と希さんは何だか意気投合したようで話し込んでいる。
そうしてしばらく経った頃、千秋さんが愛理姉と希さんに飲み物を勧めた。二人は少し話し込んだのち、美香姉と同じように口を開けて眠り込んでしまう。それを見て千秋さんがいかにもな笑顔を浮かべた。
「ちょいと待っててくれよ、百合。二人を置いてくる」
千秋さんはフラフラすることなく立ち上がると、眠っている愛理姉と希さんを肩に担いでどこかに行ってしまう。百合姉がその場でしばらくシャンパンを飲んでいる横で、酔った理子姉がなぎささんと絡み始めた。
「なぎさちゃーん、ここはおっきくなったのー?」
「やぁっ、りこひゃん、やめてくだひゃい……」
理子姉がなぎささんの胸をふにふにしながら遊んでいる。酒といたずらでなぎささんはろれつが回っていない。理子姉はさらになぎささんに悪戯を仕掛ける。ベロンベロンになっているなぎささんは可愛いのだが、あまり見つめているとふと思い出した時にお返しを食らいそうなので目を離すことにする。
美香姉を寝かせようと担ぎ、部屋に送っていった。残念ながらケーキは明日食べることになりそうだ。そして帰り際、廊下を歩いている千秋さんとすれ違った。
「いよーう、将」
千秋さんに壁際に追い詰められてしまい、そのままキスをされてしまう。酒臭いキスだったが千秋さんの身体の魅力に負けてしまい、あっけなく床に伏せられてしまった。全身が彼女と密着し、千秋さんと混ざり合いそうなほどに抱き合った後、ふと何かを思い出した千秋さんは立ち上がって去っていく。お酒のせいだろうか。助かったような残念だったような。




