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テスト勉強の姉 2

21日は私の誕生日でした。

まぁ話には関係ないんだけどね。

 百合姉と何やらお話していると理子姉もやって来た。眠っている美香姉と愛理姉を見て少し困ったような顔をするが、何とか俺から二人を引き剥がすと、ひょいとそれを肩に背負う。割と力持ちであった。

「二人は私が部屋に送っておくね」

「大丈夫か?」

「大丈夫よ、将。理子にとってはいつものことだから」

 部屋に百合姉と二人残される。た、確か、百合姉もなんか勉強出来たような気がする。ダメもとで、何かを教えてもらえるかもしれないという淡い期待を抱きながら百合姉に学校の勉強を聞いてみることにした。えーっと、残ってる教科は……

「百合姉、勉強聞きたいんだけど」

「何の教科?」

「ちょっと待ってな……確か」

 鞄の中から「今日やるモノ」と書いてある紙を引っ張り出した。確か数学とかは先程美香姉、愛理姉と三人でやった時に終わらせたから、と目線を下ろしていくと、最後の教科に行き当たった。やった、これが終われば眠れるぞ。

「最後の教科だから、保健体育かな。……あ」

 しばらく経って、百合姉がなんだか嬉しそうな顔をしていることに気付く。背中の向こうから教科書の範囲が書いてある紙を覗き込まれ、意味深な息を吐いて言う。

「ねえ、どんなことが聞きたいの? もしかして、これのことかしら?」

 百合姉の白く細い指で指摘された箇所は、何故か中途半端にしか記述されていない性的なアレのページであった。そこが次のテスト範囲だったのである。ぐ、これはまずい。

「そ、それです」

「ふうん」

 百合姉は辺りに置いてあった保健体育の教科書を手に取ると、お目当てのページを一回でめくり当て、そこをテーブルに広げた。少しの時間でそれを呼んだ彼女は、くくっ、と面白おかしいような笑い声を上げる。

「こんなの全然勉強しているうちに入らないじゃない」

「でも、コレ覚えないと点数が落ちるって」

「駄目よ。こんなのは紙で勉強しちゃいけないの」

「え」

 百合姉は教科書を地面に置くと、その横に両手で押し倒してきた。今更ながらに百合姉の胸がたゆん、と揺れる。そうか今は夜だった。下着を付けていなくてもおかしくない。そんなことを考えて現実逃避をしていると、百合姉は胸を密着させてきた。

「百合姉、あたってます」

「あててんのよ」


 教科書の最初の方を指で追っていた百合姉は、倒れたままで「特別授業」を始める。

「まずは……ね。人間の身体には『第二次性徴』という物があるの」

「だ、だいにじせいちょう……」

「そうよ。男の人はこんなにたくましくなって……」

 そう言いながら百合姉は腕の筋肉を撫で上げてきた。ぐっ、こ、これはくすぐったい。同時に耳元で息を吐かれ、体中から力が抜けてしまった。それと同時に何かがぞわっと上がってくるような感覚に襲われる。

「女の人は全体的にまるく、色っぽくなるの。こんな風に、ね?」

 百合姉は胸をまた押し付けると、今度は俺の手首をがしっと掴む。彼女の腰のあたりに誘導されてしまい、はからずとも彼女を抱きしめるような姿勢になった。

「実際に触って覚えなさい? 何事も『身体』を使って覚えるのが一番だから……」

「え、ちょと待って、これは」

「い い か ら」

 い、言われるがまま、百合姉の腰にそっと手を乗せた。服の上からではあったが、彼女の肌がじんわりと汗をかいていることが分かる。「いろいろな所を触ってみなさい?」と言われ、断る権利を持っていないこちらはそのまま彼女の身体を手で伝っていく。

 百合姉の背中をそっと撫でていると、耳元で彼女は官能的な息を吐いた。

「ああぁ……そうよ。そうやって覚えなさい」

 いつの間にか反対側の手も出してしまっていて、そちらは彼女の脚を撫でてしまっていた。意地悪なほどに良い肉つきである。一度触れたらもうそれなしでは生きていけないほど、彼女の身体は完成されていた。百合姉は脚の方にあった俺の手を掴むと、今度はそれを尻の方にぽんと乗せた。彼女のやわらかく弾力のある尻を掴んでしまう。

「んんっ……! はぁ、ああぁ、いいわよ、将」

「ゆ、百合姉、これは勉強で」

「勉強よ。実習込みのね」

 百合姉の尻はもっちりとしていて、掴んだ後に離すとぽよんと揺れて元の形に戻る。もうダメだった。頭には理性の一かけらすら残っていなかった。百合姉を強く抱いてしまっていて、気が付いた時には彼女が色っぽい笑みを浮かべながらこちらを見つめていた。

「授業中に勝手な事しちゃ駄目でしょ?」

「す、すいませんでした」

「……ほら。やっぱり将もしたいんじゃない」

「げ」

 百合姉はにんまりと笑みを浮かべながら言った。夜の特別授業はまだ終わりそうにない。


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