言い出せない姉友 3(終)
夕方までうろうろしていると流石に自分もお腹が空いてきた。だが、家に帰った後の愛理姉のご飯も楽しみであるので、間食はあえて取らないようにする。水族館を出て電車に乗った後、自分の家に向かっていると、道中道が同じだったなぎささんのお腹がぎゅるるると鳴った。
「……うぅ」
「なぎささん?」
「将さんの馬鹿!」
涙目のなぎささんからぽかりと一撃を食らってしまった。
「ど、どうしたんですか」
「こうなったら将さんに悪戯してやりますからね」
何故か腕にくっついてくるなぎささん。そのまま家に着いてしまった。ただいまのピンポンを押して中に入ると、ドアの向こうにはかーなーりー不機嫌そうな理子姉の立ち姿が。
「……たまには一人になりたい、って言って外に出たんだよね?」
「あ」
腕にくっついているなぎささんがフフッと笑う。理子姉がとても怒っているのを見たなぎささんは、火に油を注ぐようにぎゅっと抱き着いてきた。そのまま玄関の壁に押し付けられ、キスもされてしまう。あ、なぎささん、今はちょっと。
「これはこれは。『きっつーいお仕置き』が必要なようで」
理子姉が笑顔になった。う、これはまずい。
理子姉の部屋で縛られて座らされていた。その前では理子姉となぎささんが美味しそうにプリッツやポッキーを食べている。愛理姉のご飯前であったため、今俺の腹は全くの空であった。そして何とも美味しそうにそれを食べるのである。
「それじゃあなぎさちゃん。そろそろあれを」
「あれ、ですか……? 少し、心の準備が」
「いいのいいの」
理子姉はなぎささんにプリッツを一本加えさせると、反対側からそれをもぐもぐと食べ始めた。目の前で抱き合う二人。何だかじっとしていられないような気持ちになるが、身体を縛られているため身動きが全く取れない。そして見つめているうち、二人はディープキスをし始めた。うう、生殺しは本当にやめてくれぇ。
「なぎさちゃん、とってもおいしいよぉ」
「そんな……」
うわああああ。これは理性が持たないぞおおおお。
いっぱい食べる君が好き




