サンタクロースの姉 2
台所のオーブンでチキンの様子を見ていると、後ろから足音がした。振り返るとそこには、にっこりと笑った百合姉の姿があった。百合姉の姿を見た時、とても切ない気持ちになってしまった。そんな私の姿を見たのか、百合姉はゆっくりと近づいてくる。
「どうしたの? 愛理」
「い、今、チキンを焼いてて」
「大丈夫かしら?」
百合姉が私の両肩を掴んだ。顔が近い。こうされると、つい期待をしてしまう私がいた。百合姉がこのもやもやをなくしてくれるような、そんな気がしている。百合姉の笑顔を見ると、私の考えていることが全部わかってしまうような気がした。
「ゆ、百合姉?」
「お腹が空いちゃって、我慢できないの……」
百合姉が私を抱いた。そして、あっという間に、私は百合姉とキスをしてしまっていた。私も百合姉を抱きしめる。そして、百合姉の手が、私のエプロンの下に入っていく。
「あっ……んんっ」
百合姉の手がシャツの中に入る。そして、いつものように慣れた手つきでブラジャーのホックをはずした。恥ずかしい。つい顔が赤くなってしまった私を、百合姉は優しく、犬をかわいがるように撫でる。私はただ、百合姉のされるがままになってしまう。
「可愛い」
「恥ずかしいよぉ……」
「嫌がってないじゃない」
百合姉はそう言うと、また濃厚なキスをした。キスが気持ちいい。体中にあったもやもやが百合姉の手で浄化されていく。触られたところがとても気持ちいい。
そのまま百合姉に体をゆだねていると、オーブンが肉を調理し終わった音がした。百合姉はそれを聞くと、意地悪をするかのように離れていってしまう。一人残された私は、しばらくどうしていいかも分からず、その場でぼうっとしていた。
「……百合姉」
そして、しばらく経って、下着を外されていることに気付いた私は、周りに誰もいないことを確認して、その場で上に来ていた服を脱いだ。
みんなで豪華な夜ごはんを食べていると、百合姉が肩を寄せてくる。先ほどの事を思い出し、つい顔を赤くしてしまった。理子姉が不思議そうな目でこっちを見てくる。
「愛理? どうしたの?」
「な、なんでもないよ」
理子姉は気が付いていないんだ。私が百合姉に食べられそうになっていることに。
「なかなかおいしいわね。愛理」
「あ、ありがとう……」
「……愛理も、大分美味しそうね」
耳元で他の人には聞こえないように囁かれ、ひゃっ、と驚いてしまう。将君たちは理子姉とお話をしていて気が付いていない。百合姉の片手が、私の太ももに触れる。
「お姉ちゃん、今そんなこと言わないで」
「愛理だって我慢できないんじゃないの?」
「う」
ケーキを食べ始めた百合姉は、自分の苺をフォークに刺すと、私の口元にそれを出してきた。理子姉がこちらに気付いたようだ。百合姉は何も話さないまま、フォークを出す。
「ゆ、百合姉……」
それでも百合姉は何も答えない。気が付くと、私はその苺をあむっと一口で食べていた。
「食べていい、なんて一言も言ってないわよ?」
「あっ」
百合姉は微笑みながら私の方を見ていた。理子姉もそれを見てくすっと笑う。百合姉に嵌められた。もう、今夜は百合姉に何をされても文句は言えないようになってしまった。
「これはお仕置きが必要かしらね……愛理」
「ふぇぇ……」




