サンタクロースの姉 1
※愛理姉視点
こっそり、こっそり。家に届いた段ボールを、百合姉たちにばれない様に部屋に運ぶ。中にはサンタクロースのコスプレ用の衣装が入っていた。クリスマスイブの夜にこっそりプレゼントを届けようと、少し前からいろいろ準備をしていたのだ。
「これは将君、これは美香ちゃん、これは理子姉の分……」
プレゼントを白い袋に入れながら、今日の夜にやる計画を頭の中で建てる。将君は部屋で寝ているだろうし、美香ちゃんもぐっすり眠っているはずだ。理子姉は起きているかもしれないけれど、きっと私がやろうとしていることをわかってくれるだろう。でも……
「百合姉は……」
百合姉に渡す予定のプレゼントが入った箱を見ながらつぶやく。百合姉にサンタクロースの格好で会いに行ったら、きっといたずらされちゃう。身体のいろんなところを触られちゃって、百合姉の手であんなことやこんなことをされてしまう。……嫌じゃないけど。
「私、何考えてるの……?」
身体の疼きが止まらない。いつもこうだ。百合姉のことを考えると、何だか体中がじんじんと気持ち悪い感触になる。これを解決できるのは百合姉しかいないのが現状だ。
「が、頑張らなきゃ。将君たちに届けるんだから!」
その前に夜ごはんを作らないといけない。今日はクリスマスディナーだから。




