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お手伝いの姉 3(終)

 店の奥の方で希さんは、ベンチでうつぶせになっている俺の身体のマッサージをしてくれていた。最近凝り固まっていた肩、脚をもみもみとしてもらううち、徐々に疲れが抜けてくる。

「あー、結構いい感じです」

「そうですか? それでは……」

 希さんは少しためらった後、俺の背中にそのままにゅっと、そのやわらかな胸を押し付けてきた。突然の事に言葉を失っていると、希さんがわなわなと震えた声で言う。

「こ、こうしたら、男の人は疲れが取れるって、インターネットで……」

「……あちゃー」

 その知識、あながち間違っているという訳でもないが、合っているとも限らない。というよりインターネットの知識をそのまま鵜呑みにしてしまったのか。お化け屋敷の勧誘も断れなければ、自分でしっかりと判断も出来ないのね。

 それでも、希さんの胸はやわらかくて気持ちが良い。マッサージとはまた別物かもしれないが、こういうのも悪くはないと思い始めていた。いや待て、こういうこと自体がおかしいのだ、と自分自身を戒める。

 部屋の向こうからは百合姉と美香姉の声が聞こえてくる。それを聞きながら、希さんの胸を背中で堪能している俺。何とも言えないような背徳感が沸き起こってきた。希さんもそんな気持ちなのか、最初は胸を押し付けていただけだが、今度は後ろから抱き着いてきた。

「ご主人様……」

「希さん……」

 このままぼうっとしているのも悪くはない。が、でも……いいか。




 夕ご飯を食べ終わった後、部屋でくつろいでいると、百合姉が部屋に来た。希さんとのあれがばれたのかと冷や汗を流していると、百合姉が突然俺に抱き着いてきた。何故こんなことになってるのかわからない俺は、その場で固まる。

「百合姉?」

「将……将……」

 百合姉は何だか涙目になっていた。なかなか見ないその姿に俺はショックに似たものを感じ、そっと百合姉を抱きしめることしか出来なかった。

「将は私の物だから」

 百合姉は俺をベッドに押し倒して来て、そして、何も言わずに俺と唇を合わせた。そのまま布団にくるまれ、俺と百合姉は密着したまま離れられなくなる。

 百合姉の身体を全身で感じていると、彼女はこう言った。

「希には、絶対に渡さないから」

 そのまま、百合姉と何回もキスをした。


この後の更新は不定期になります。

夏の長編は今年はあるかなぁ……(´・ω・`)

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