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大晦日の姉 3

 気が付くと俺は後ろから理子姉に抱きしめられていた。理子姉は寝ぼけているのかこちらをぼんやりと見つめている。む、胸が背中に当たっとる。

「将君……むにゃむにゃ」

 理子姉は俺に抱き着いたまま夢の中へ戻っていってしまった。美香姉が隣からつんつんとするが、理子姉は笑顔のまま俺から離れない。少し寂しく思ったのか、美香姉は理子姉の後ろにくっついた。そんな彼女がなんとも愛らしい。

「さて、理子の曲が終わったからあとは蕎麦かしら」

「そうだね」

 愛理姉はうなずくと台所へ走っていく。百合姉は俺の前に来ると、その場から動けないでいる俺の頬にそっとキスをした。百合姉がいつもより魅力的に見えた。


 年越しそばが出てきた。理子姉と美香姉を起こすと、俺の左隣に百合姉が座る感じとなる。今日はあまり百合姉に構っていないせいか、百合姉は俺の肩に乗っかかると蕎麦を一口取って俺の口の前に出した。食えと。

「ほら、お姉ちゃんが食べさせてあげるから……あーん」

「あー」

「はい、よく出来ました」

 蕎麦を吸ったかと思えば、百合姉が耳元でそうささやいてきた。と、年上の女性の言いなりになる快感とこのままではいけないという二つの気持ちがぶつかり合い、俺はうつむいてしまう。百合姉は俺のえびをほんの少しだけかじった後、それを俺の前に出した。

「はい」

「う……あー」

「あら、お姉ちゃんと間接キスしちゃったわね……ふふふ」

 口元を手で押さえながら俺はせきこんだ。わ、忘れていた。百合姉はありとあらゆる手口を使って俺を悪い方向へ引きずり込もうとしている。あれ、でも悪い事ってなんなんだ?

 そういう風に食べるのを繰り返していると、正面にいる愛理姉が何だか不服そうな目でこちらを見つめる。だが、百合姉の視線が愛理姉の方に動いただけで、愛理姉はびくっとなって自分の蕎麦をずるずると食べだした。


 百合姉は自分の分をさっさと食べ終わり、ぼうっとテレビを見ている俺を床へ押し倒した。お互い蕎麦のおかげで熱くなっていて、百合姉と密着するとなおさらだ。彼女の息が俺の鼻へかかり、それだけで理性がとろけてしまう。

「あー! 将君、お姉ちゃんといけないことしちゃだめだよ!」

 愛理姉の声が足音と共にやってくる。美香姉と理子姉の声がしないと思ったら、美香姉は理子姉の腕の中で眠っていた。理子姉も同じく。

 で、ですが愛理姉。こんな状況で胸まで押し付けられたら……限界です!

「百合姉ぇ」

「んふふ。最初から素直になればよかったのに」

 百合姉の身体を抱きしめると、彼女は俺の頭を一回撫でた後、キスをした。あわわと慌てる愛理姉を尻目にディープキス。姉弟だけども、血はつながってはいるけれどもやめられない。禁忌を犯しているという意識がさらに俺と百合姉を興奮させる。

 愛理姉はあわわあわわとこちらの事を見ていたが、頬を赤らめてむーっとすると俺と百合姉に抱き着いてきた。百合姉は上気した愛理姉の顔を見ると、舌で彼女の頬を一回ぺろりと舐める。百合姉の手が愛理姉の胸をもんだ時、愛理姉の口から快感の吐息が漏れた。


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