はかる姉 3
「んあぁ……違うわよぉ、もう少し上……」
「こ、ここ?」
「はぁ……ぁぁ、そこ……擦らないで……」
今、俺の中で決定的な何かが切れた。百合姉の甘い声が俺の全細胞を沸騰させ、俺は自制心を保つためにその場から動けなくなってしまう。視界もかすんできた。
百合姉はそんな俺の左手をつかんだと思うと、俺の手のひらを百合姉の胸にむにっ。え。
「ずうぅっと、触りたかったんでしょ? 将の顔がそう言ってるわよ?」
「ち、ちが、俺は」
「ほら……お姉ちゃんの胸、ちょっと指を動かしたら揉めるわよ?」
左の手のひらが幸せだった。布団ともコンニャクとも違う、やわらくて暖かな物体。それをむにむにともみたいが、百合姉は義理とはいえども俺の姉である。それに、今ここでやらかしたら俺は絶対に戻れなくなってしまう。
そんな俺を笑うかのように、百合姉の人差し指が俺の指をちょん、と押す。胸の感触が俺の理性を狂わせ、感情的行動のトリガーを引こうとする。
「将……私、もう限界なの。だから、将に気持ちよくしてほしいな……」
百合姉の目がとろんとし、俺の視線を百合姉に縛りつける。
「ゆ、百合姉、やっぱりこういうのはいいよ」
左手が動きそうになる瞬間、俺の脳裏にふと「姉弟」という言葉がよぎった。百合姉の胸をもみたい気持ちもあったが、俺の心の中に残っていた最後の良心がそれを引き留めた。百合姉は俺の方を見てふぅん、というような顔をした後、俺の左手から手を離す。
「それじゃあ、早く測ってちょうだい?」
夢から覚めたような気分の中、俺は百合姉のトップバストを測った。
「94くらい」
「結構大きくなったのね……それじゃあ、今度は腰回りを測ってちょうだい」




