悪魔世界の特別公演 9
「愛理姉は順調?」
「うん。結構ペンライト売れたよ!」
少し理子姉たちがお休みに入っている間、俺と愛理姉は裏でこそこそと話し合っていた。
愛理姉の笑顔を見ると、裏方でいろいろやった疲れも吹っ飛んでいくようです。あれ、理子姉のライブ中は仕事なかったんだっけ。大変だったのは会場設営か。
「二人とも、陰で一体何をしようとしていたのかしら?」
声のした方に目を向けると、先ほどまでドラムをやっていた百合姉の姿が。あれ、百合姉羽が出ておりますよ。
「お、お姉ちゃん、それ……」
「これ……? ……ふふっ、愛理も同じでしょ?」
「違うよ、それまっくろ」
「どういうことか、分かるかしら?」
百合姉が愛理姉に近づくと、愛理姉の白い羽が徐々に黒みを帯び始めてきた。愛理姉は百合姉から逃げようとするが、百合姉の飛びつきによって捕らえられてしまう。
「つーっかまえた」
「お姉ちゃん、今は、だめぇ」
「ダメよ。もう私は我慢できないんだから……」
お、俺の目の前で愛理姉が百合姉に襲われとる。百合姉キスまで奪いやがった。愛理姉はもうへろへろである。あれ、サキュバスの唾液ってなんかすごい成分あった気が。
……やばい、リリィさんから薬もらうの忘れてた。
「愛理……そろそろ、こっちもいいでしょ?」
「うん……」
愛理姉が堕ちちゃいました。羽が白からまっくろになってます。おめでとう堕天使。なんだか百合姉の手が愛理姉の服の中に入って行ったんだけど。こ、興奮が。
「将には悪いけど、生殺しにさせていただくわね」
「なっ」
「お姉ちゃん、そこは、あうぅっ」
愛理姉の口から艶めかしい声が漏れた。
愛理姉と百合姉の情事が終わった後は、愛理姉の羽は白に戻っていた。愛理姉自体はかなり恥ずかしそうだが、売り子の仕事をきちんとこなしている。
俺も裏方の作業に専念し、理子姉のライブは無事に終わった。
「もう、百合さんは我慢という物が……」
「すいません、近くにかわいい娘がいたのでつい」
「ほえぇ」
百合姉はハービィさんにいろいろ言われていたが、反省の色はない様子。横の愛理姉はいろんなことをされたため、百合姉とまともに目を合わせられない状態であった。
ちなみに俺はきちんと二人のを見ていました。どうしてくれるんですこの欲望という物を。愛理姉やっぱ服の上から見ても胸大きかったな、あれ?
「本当は将の前で脱がしても良かったんだけどねぇ」
「そ、それはまだ早いよお姉ちゃん!」
「じゃあいつかするの?」
「うぅ……」
ふしゅうと愛理姉は小さくしぼんでしまう。なんだかんだ言って二人とも仲良しなのね。まぁ愛理姉の大事な所とかは見てないんで姉弟的にセーフ……もともとキスとかしてたからセーフじゃねぇ。
「魔界にいるときは気を付けてくれよ。特に、弟さんといるときはね」
「わかりました」
百合姉も少しだけしゅんとなった。




