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誘拐される姉 後編 2(終)
元の世界に戻ったらしく、姉さんたちにリリィさんが必死に謝っていた。
千秋さんたちは俺たちが帰って来たのを見ると、安心して帰って行った。
「すいません! 私の趣味の為に妹さんを呼んでしまって……」
「大丈夫よ。今度から行くときは将を連れていくわ」
「ええ、お願いします……」
そう言って、謝罪も済ませると、リリィさんは魔界へ戻っていった。
あれ、何で俺がああなったかの説明はないの? え?
「……将、とてもカッコよかったわよ」
「百合姉……」
「助けられたのは初めてかもね」
思えば、そうであった。あの時も百合姉たちに助けてもらった。
俺が姉さんを助けた時がなかった気がする。そうなると、恩返しが出来たのか。
「将君、今日はみんなで一緒に寝ようね?」
そうだな。みんなで一つのベッドだ。




