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誘拐される姉 前編 2
三人と一緒に、俺は家の中を探し回っていた。
何か手がかりはないか。そう思って探していると、なぎささんが何か見つけたようだ。
「……これ、なんでしょうか」
居間の机の下に落ちていた、ギターのピックみたいな物。
四人でなんだろうなぁ、と眺めていると、後ろに誰かの気配が。
「……む?」
「はうっ」
そこにいたのは、エレキギターを引き下げていた女悪魔さんだった。何故。
「……誰?」
「はわ、み、見つかっちゃった、はわわわ」
「これ……落とし物ですか?」
なぎささんがピックを手渡すと、その子は落ち着いてくれたようだ。
何だかばつが悪そうなので、話題づくりにでも話してみる。
「……姉さんのこと知ってますよね」
「し、知らないよ! 誘拐したなんて知らないよ!」
「いまなんて」
「はっ」
千秋さんが壁際に追い詰めると、ドンと両手で逃げ道をふさいだ。
流石副組長。威圧感ぱねえっす。今度俺にもそれやってくださいな、て何考えてんの。
「正直に言いな? ……将の質問に答えろ」
「は、はい、し、知ってます……」
観念したのか、女悪魔はふしゅぅっと地面にへたり込んだ。




