149/375
ちっちゃい姉 2
美香姉の言うことがピタリと当たり、晩御飯は玉子焼きだった。
愛理姉が作ってくれた玉子焼きを美香姉は口に運ぶ。そして頬が緩んだ。
「今日はずっと将君と寝てたの?」
「うん」
理子姉は、少し寝ぼけた美香姉を見ながら微笑んでいる。
隣の百合姉も、美香姉をなにかペットかのように見守っていた。
「……砂糖」
そういうと美香姉は立ち上がり、台所へ向かう。
俺も何か用事を思い出したので、席を立って台所へ向かった。
冷蔵庫からケチャップを取り出した時、美香姉の目がキランと光る。
「……美香姉?」
「砂糖」
美香姉は砂糖が大量に入った入れ物を手に持っていた。
俺と美香姉は居間に戻り、玉子焼きの前に砂糖とケチャップをとんと置く。
「……お姉ちゃんたちはどっちがいい?」
「うーん……私は砂糖かな」
「私はケチャップ」
「私はどっちかというと砂糖ね」
俺と美香姉は顔を見合わせた。
美香姉の口元が笑っている。ケチャップ派の敗北となってしまったのか。残念。




